2018年9月28日金曜日

細かな心理

9月27日(木)Wakuwaku 担当:飯坂


稽古が始まる前から、皆さん一度通しをされていました。
そのあと、高杉さんの指導が入ります。

今日は、14ページの文化祭の教師の出し物を決めるシーンからです。
それぞれがそれぞれの役割を担っていて、細かな心理が行き交います。
その心理に則ってセリフを言わないと、すぐにかみ合わなくなってしまいます。
高杉さんが身振り手振りで演出をつけていきます。

例えば、下手な出し物はしたくないという先生のセリフは、怒って「私はちゃんとやりたいんですよ!」言うと、なんだか違った風になってしまいます。そこは、どちらかというと、嘆く風に言った方が、次に繋がります。本当に出し物をしたくないわけでなはく、「過去の出し物は中途半端で悔しい!今年こそしっかりしたものをやりたい!」という心理が隠れているからです。
どちらも、声を大きくして「ちゃんとしたいんですよ!」と主張しているのですが、その役が背負っている背景や心理を細かく考えていくことが大切です。

間の取り方も難しいです。
「他、なんかあります?」と言われて、何も意見が出ないので、「適当でも何か言ったら話が広がりますよ」と言いますが、この二つのセリフの間は、役者としては不安になってしまうので少し早く次のセリフを入れてしまいがちですが、耐えて長めに間を取った方が、面白くなります。

「、」で終わっているのか「。」で終わっているのかを見極めること、稽古で台本や段取りと違うことが起こってもそれを受け入れて次につなげること、一見なんでもないような「あぁ」「そう」「えー」などの短い台詞こそ大切だということ、移動する時も、その役が背負っている心理を忘れないこと。
そして、役者としては全部のセリフをしっかり聞いていなければならないけれど、その役としては、聞くべきセリフと聞かないセリフを取捨選択すること。
言葉だけのやり取りではなく、そこに漂う空気を感じてそれを引きうけること。

演劇をするにあたって、とても大切なことが高杉さんの口から矢継ぎ早に出てきます。
本番がどんどん近づいてきています。
皆さんとても高い集中力で、3時間の稽古を乗り切りました。

どんなふうにその場がつくられていくのか、本番がとても楽しみです。

2018年9月25日火曜日

音響オペと動く体。

2018年9月25日 そよ風ペダル 担当:梶川

先週の稽古でちょこちょこと筒井さんがシーン中に試しの音を流していましたが。
今日は決定された音をみんなで共有するところから始まりました。
音の流れるところだけを抜いて稽古を重ねます。
これまた独特の選曲です。
何を普通というかわかりませんが、例えば演技の後ろで流れる音楽というのは、後ろでと言っているように演技を支えると言うかあくまで前には演技があります。
そういう意味では今回の音たちは演技と対等に扱われているというか。
なんならセリフの一環として聞こえてくるような印象です。
音を確認したあと、休憩を挟んで通し稽古です。
独特のやり取りと言うのは動き続ける体からきているのかもしれません。
前回の作品で発話するときに足を動かすというのがありました。
その流れからか常に体が自然と動き続けています。
体が動くことで会話が独特の間合いで行われても停滞することなくやり取りがつながっていきます。
これも積み重ねですね。


初通し。

2018年9月25日 恍惚一座 担当:梶川

宿題の場面転換の段取りは決められました。
まずはその段取りの確認と練習。
修正も入りつつ、決定しました。
そして照明のスタッフが来たということで初通しです。
後半が駆け足で稽古したので立ち位置や登場退場の位置が定まっていないのが明らかになりました。
演技自体は、セリフは覚えるとして、いや、覚えた上で今やっている演技と同じことができるかがまずは
目標かと。
その上でユーモラスな部分をどう成立させるかだと。
今月中でセリフ覚えを終えるとのこと。
急ピッチの創作です。



2018年9月21日金曜日

台本に書かれている情報を大切に

920 WakuWaku 担当 土井
長らくお待たせしたチラシが出来てきました。ご迷惑おかけしました!
今日は6ページ大谷・岩山の登場から、14ページ菊池が会議を開始するまでを抜き稽古しました。
稽古中は共演者が間違えても指摘せず、起こった事を受け入れましょう。時間を止めてはいけません。
台本に書かれている「、」か「。」かの違いに注意、「、」で終わっているのは何か言おうとして遮られた事を示します。
テンポ良すぎて情報を流してしまわないことも注意しなくてはなりません。

座っていた岩山が立ちます。立つ動機は台詞に反映しているでしょうか?筋が通る根拠を作らないと、立った怒りが見えません。そして、客にも相手にも言葉が聞き取れるように、
ゆっくりでいいから、しっかりと丁寧に発音しましょう。

浅野が登場します。普通に動きましょう。
田淵、浅野の会話に入る「一拍の間」。流れてしまいがちな言葉が留まります。
田淵は笑いで怒りを逃すように。
大谷の「いや、」は前言を否定する強い「いや、」やる気があるのか無いのか、紙一重の心の動きを捉える重要な「いや、」です。
浅野 の長い台詞にはブレスを入れてみましょうか。高度なテクニックです。そして「沈黙」の間も続いている息を、一旦切りましょう。
菊池のギャルっぽさで笑いが出ます。菊池がバランサーだという事がよくわかります。
最前列上手端から見ていると、佐竹の登場が机に隠れてわかりにくかったです。こちらから見えないとしたら残念です。
来週も抜き稽古し、104日は富田で通し稽古です。


2018年9月18日火曜日

会話とは何か。

9月18日 そよ風ペダル 担当:梶川

4時間稽古です。
アップをして、前半と後半をそれぞれ通し稽古。
まだ少しプロンプが入ることもありますが、だんだんとやり取りが続くようになりました。
やり取りと簡単に言っていますが、出来上がっているものはとても独特です。
例えば会話劇としてのやり取りだと、テンポを重視したり間を詰めたりと言うことを目指します。
それは日常会話を再現することを目指しているとも言えます。
今回の作品はそこで創作はされていない気がします。
間をとってゆっくりやり取りをしようということになっています。
そして脚本段階で普段の会話ではなかなか出てこないようなセリフも書かれています。
ですが不思議と自然な会話に聞こえてきます。
何を持って会話と言うのか。
解明はできませんが。
とても不思議な体験です。


脚本完成。

9月18日 恍惚一座 担当:梶川

何をおいても今日の一番のトピックは、ついに、脚本が完成しました。
ここからです。
稽古は先週からの続きのところを段取りつけて、最初に戻っていけるところまで。
これでいろいろなことを準備していけます。
舞台セットも決まり、場面転換するタイミングも決まり。
宿題は誰がどう椅子を移動するか。
来週までに取りまとめます。
みなさんの宿題はとにかくセリフを。
山口さんはオープニングとエンディングの演出を考えるという宿題。
来週は照明のスタッフが稽古に来ます。
脚本を持ちながらでも通し稽を決行です。


2018年9月14日金曜日

つるつると台詞が出てきてほしい

913 WakuWaku 担当 土井
今日は抜き稽古です。
まず1ページの終わりから6ページ初めまで。
地味ではあるが暗くない、明るい雰囲気で始めたい場面です。
池田の態度が柔らかくなると余計に怖い印象を与える為には、最初は冷淡な方がいい。佐竹は段々と池田との関係性が変わってくる事を感じ、それに反応します。自分の意見を主張する事は、相手へ怒りをぶつける事ではありません。相手を尊重する気持ちをちゃんと持っています。
田淵が来てからの池田は、身体の変化と共に口調も変化。

休憩後は14ページより17ページまで。池田以外のメンバーが出し物についての話し合いを始める所からです。
「立てたい言葉」というのがあります、どれでしょう?まず、ちゃんと発音し観客にしっかりとその言葉を聞き取ってもらいましょう。
この間台詞のない人はどんな態度でいるでしょう?台本に書いてない部分を作って笑いを生み出す事ができます。
前の人の台詞に乗っかっていくところは乗っかって。
即興の提案が出た後、何故か暗い空気が漂いました。
大谷は自分の思考の中で自問自答しているだけで、暗くなるのとは違います。

31ページから最後まで。
前半と後半は空気が違います。田淵を心配していても笑いを忘れず平静を保つ菊池の心遣い。
田淵は写真のことを聞かれても普通に話し、視線は柔らかく相手の方を見ています。
それぞれの役割、関係性が出来てきました。これからは相手とのキャッチボールを楽しむところまで行きたい。それには台詞は正確に覚え「つるつる」と出てくるまで読んで覚えましょう。

ところで、熱望していた「戸」を作って頂けることになったのだから、戸がある事を意識して稽古をしましょう。開けっ放しで出入りはしないでしょうから。



2018年9月12日水曜日

舞台上の自由。

9月11日 そよ風ペダル 担当:梶川

先週が台風でお休みで。
その振替稽古が必要になり、今週は3時間稽古ですが来週からは4時間稽古に延長です。
みっちりと稽古していきます。
一時間程度の作品なので丁寧に演出をつけていっても通し稽古ができます。
まだセリフが抜けることもありますが、それはすでに作品として織り込み済み。
つまりはプロンプが入ることも作品の一部。
どのようにプロンプが入ると美しくうまくいくか。
大切なのは役柄としての状態を途切れさせない。
片手だけ意識を切り離してプロンプターに合図を送る。
要は見ている側にとって舞台空間が継続しているなというように見えた上でなら自由であると。
とても自由な作品です。
なかなか他では見られない作品に仕上がりそうです。



2018年9月11日火曜日

時間との。

9月11日 恍惚一座 担当:梶川

脚本の書き直しはありませんでしたので、引き続き中盤シーンの場面転換や登場退場の場所、立ち位置といった段取り稽古進めていきます。
今日は舞台のスタッフが稽古場に来ているので、舞台セットに関しても詰めていきます。
今日からは三時間稽古。
本番までの時間も限られてきて、ドキドキしてきました。
が、なんとかなるだろうという楽天的な安心感もありつつ。
きっと、会話としての演技はできあがるだろうという予想がたっているので、セリフを覚えて段取りを覚えてができれば。
いや、もちろん高みを目指しましょう。



2018年9月7日金曜日

劇場

96 WakuWaku 担当 土井
今日は照明さんを迎えて2回目の通しです。
通しの前に、前半の11ページ下段から16ページ上段を抜き稽古。笑いで「いたずら心」を表現しましょう。
大谷がやる気になってきたあたりからです。
表に出さなかった自分の意見を主張し始めた浅野、「沈黙」の後には口調に熱が入ります。彼の教育論が吹き出し、菊池が軽く同調します。しかも「ギャルっぽく」という注文が入りました。
大谷と佐竹が出会った時の声は、枠に閉じ込もらない、どこまでも届くような大きな叫びです。

1550分から通し、172分に終わりました。
1回目の通しより、随分台詞が出るようになっていますが、まだまだ不十分です。流れとテンポを良くするためにもっと頑張りましょう。台詞を覚えてからがスタートです。
相手に反応して台詞が出、会話が成立するようになると台詞が生きた言葉になります。
そして堂々と言い切る台詞は、語尾を上げないように。

それぞれが自分の教育論をぶつけます。
その時間は独自の「劇場」のようです。大先輩に対して覚悟を持って自論を述べる者、もうすぐ去るからこそ、後輩に言っておきたい事がある者、etc・・・そして両者の間を取り持つ者がいます。

今日のラストは湿っぽくなりすぎたようです。次回はからっとしたラストになるかもしれません、悲しみは内に秘めながら。誰を意識してその一言を言うのかを、話し合いました。一言が大きな広がりを持っていることがわかります。

すでに「役」は作家の手を離れて役者のものになりました。言葉にならない部分を自分で考え、皆で考え、悩み、挑戦しましょう、それが演劇の楽しみですね。