2020年7月29日水曜日

マスクをつけて芝居なんてやってられるか

7月28日 千年団 担当:飯坂

今日は新しいテキストが配られました!
二人の兄妹、もしくは姉妹のお話です。
歩きながら電車内での出来事など他愛のない話をします。
いつものように二人組に別れて読んでみて、一組ずつやってみました。

舞台上でずっと歩いているという表現は、グルグル歩くとか同じ場所で足踏みをするとか、昔はムーンウォークみたいな動きもよくやったと小原さんは言っていましたが、いろいろあります。
今回もそういうことをいろいろ試しながらやってみました。

稽古はコロナ対策でマスク着用のもと行っていますので、声がマスクに籠もって聞き取りにくい瞬間が何度かありました。
でも何かをずっと喋っていて、それを一生懸命聞き取ろうとする客側の姿勢はなんだか面白いです。
演じる側はもちろんマスクをしていてもお客さんに聞こえるように喋らなければいけないのですが、「マスクをつけて芝居なんてやってられるか!」というような主張にも見えて面白いかもと小原さんは言っていました。

この短編も一つの作品になるようです。
いろいろな見え方があってとても発見の多い時間でした。

2020年7月23日木曜日

ダブルキャスト?

7月21日 千年団 担当:飯坂

今日は、まず本番の体制について話し合いました。
短いお話のオムニバス?短編集?になるのでしょうか。ダブルキャストになりそうですが、それもどういうダブルキャストなのか、いろいろ話しました。
この状況ですから、もちろんなにもなく本番を迎えられることが一番ですが、いろいろな事態に備えていきたいです。


今日は今まで取り組んでいた「ポンポン山」のテキストが最初から最後?まで配られました。
これで完成というわけではなくいろいろ試している途中です。一旦はここでおしまいにして、少し時間を置いてみるそうです。

チームに別れて読み合わせをし、そのあと1チームずつ発表しました。
父と母と私の三人が登場人物です。
毎回のことですが、演じる人によってまったく見え方が変わるので、いいなと思いました。
父がとてもせっかちだったり、母がちょっとこわかったり。

今日は人数が足りなかったので、私も参加しました。
囲み客席というのはとても難しいですね。目の前の俳優も意識しつつ、ばらばらに座っている人たちにも意識を向けるのは、とても集中力が必要です。
重くなりすぎず、軽くなりすぎず、いろんな重さが盛り込まれているとてもいいテキストでした。

次は新しいテキストかもしれません。楽しみです◎

2020年7月15日水曜日

身体の動かし方から見えてくるもの

7月14日 千年団 担当:広瀬

冒頭、メンバーが集まるまで、コロナ禍の中での各所の上演の形についての雑談をしました。
千年団でも今回の公演は、少人数チームに分けたオムニバス公演にして、作品転換の合間合間で換気をする予定です。

テキストの稽古に入る前に簡単なシアターゲームをしました。
二人一組で一人が歩き、もう一人に呼びかけれたら元の場所へ戻るというもの。
歩いている流れでUターンする人、一度立ち止まる→振り向く→また歩き出すという流れの人など、それぞれに違った動きをしていて、振り向き方から情景が見えてくる人もいます。
2巡目は1巡目で1度も出なかった「体から振り向いて、あとから顔が付いていく振り向き方」をしてみますが、なかなかスムーズにならない人が多く何度か試したりします。スムーズにこの振り向き方をしたときの印象としては「見たくないものに気づいた」といった感触です。
ポイントは、身体の動きからシチュエーションをイメージしていくこと。
3巡目は、呼びかけ役には、歩く役の人が各々イメージしたシチュエーションに合った呼びかけ方をしてもらうという条件を加え、試してみます。シチュエーションが合っていると振り向き方から「葛藤」が見えてきます。
歩く演技一つ取っても、目で歩く、胸で歩く、腹で歩くなど、どこを意識の先頭にもっていくかで見えてくる態度や印象が変わってくるそうです。

テキストの稽古では、
3人のそれぞれの位置や向きが移動して360度どの方向からも違った見え方がする演技や、父親役の振り向き方など、みなさん、ここまでの小原さんの言葉や前半のシアターゲームが活きている演技をされているようでした。
また、各役者さんごと、配役の組み合わせごとに印象が大きく違っていて、小原さんからも「母娘はこれくらい他愛の無い話を延々してる感じが良いですね」、「父親はこのくらい軽快な方が良いですね」など、それぞれの良さがフィードバックされていきます。

フィードバックの合間合間に、小原さんから「今回のオムニバスは全てコロナの影響下のイメージ」、「公演全作品通して「他愛の無い話を延々してる感じ」を目指している。」と、公演全体のイメージも徐々に提示されていきます。

また、「ポンポン山」のテキストは、「断捨離で思い出の品を全て処分し、(処分で得たお金で)全てを食べた娘」というイメージがあるそう。
「ポンポン山」のテキストは完結までもう少し書き足されるようです。


2020年7月10日金曜日

言葉から場面が変わる

7月7日 千年団 担当:飯坂

今日は先週の続きのテキストが配られました。次週完結するそうです。
来年2月が本番です。そのときコロナがどうなっているかわかりませんが、できる対策はして、粛々と稽古をしていきます。

千年団の特徴は、正面の芝居をしないことです。
多くの場合は客席のある方を意識しますが、千年団は囲み客席の事が多いです。
つまり、正面というものが存在しません。お客さんに囲まれてます。
稽古でも、つい演出家の小原さんが座っている方を正面として演技してしまいがちですが、まわりに座っている人たちにも意識を向けましょう。

テキストは、家の中の場面から始まりますが、「天狗杉」というセリフをきっかけに、場面が天狗杉の下で休んでいるところに変わる、というのをやりました。
照明や音響きっかけで変わるのではなく、俳優の身体/言葉から変わり、それを追って、音響照明も変わる、というイメージです。
空間を広く使う意識ももちましょう。

他にも、一見は残念そうに言うだろうセリフを、ちょっと笑いながらいうことで哀愁が漂ってさらに残念さが増したり、ポンポン山が本当にポンポンなると信じている高槻市民の言い方を追求したり、おもしろい稽古の時間でした。

次週の完結が楽しみです。