2020年8月25日火曜日

場所、集中と分散。

 8月25日 千年団 担当:梶川


脚本の新しいページが配られました。

まだこのシーンはどこで会話をしているかが決まっていません。

書いているときはどこかの喫茶店というぼんやりしたイメージだったとのこと。

決まらない事を逆手にとって、それぞれのペアで場所を決めて演じてみましょうという課題で読み合わせから立ち稽古をしていきました。

前回もこの課題は行われていて、病院の屋上や釣り堀というのが出てきたとのこと。

演じ手が場所を決めることによって、脚本家が意図しなかった意味が生まれてきてとても興味深かったです。

話はそれますが、その日の参加人数が奇数の時は人数合わせで立ち稽古に参加しています。

小原さんの書く会話を実際に口にしてみて、実際に演じているときは何も考えていないわけですが、後から何を気を付けて演じているのかしらと振り返りました。

集中を分散している、いわゆるマルチタスクということをしているのだなと。

マルチタスク:複数の処理を同時にすること。

脚本を持ちながらなので、視線が脚本に縛られて台詞を読むことに集中しやすくなります。

会話をするときは、あんまり何かに集中しているということがありません。

逆に言うと、何か(往々にしてそれは’感情’と呼ばれがちなものですが)に集中して言葉を発しているときは劇的な効果を生むことがあります。

この効果を引き立てるためにも、それ以外の時はできるだけ集中しない、分散した状態にありたいなと思います。

さておき振り返って具体的に何に分散していたかなと考えます。

もちろん脚本に視線を向けつつ、相手役や場所に対しても視線を飛ばす。

また脚本を持っているとセリフを言うことに集中しがちなので、話す事よりも動くことができないかということに分散していきます。

あとはセリフに集中しないということで、自分が話す事より相手の話を聞くことに分散する。

後からのこじつけなので、実際はただ’何も考えていない’という事だけですが。

案外に何も考えないという事が一番難しかったりします。

そしてこの文章を書きながらさらに振り返るなら、芥川ミルキーウェイでも人数合わせで立ち稽古に参加しました。

その時に大きな声を出す演技をしたわけですが、これはもう稽古に入る前から絶対にやろうと決めていたし、その時には大きな声を出す事だけに集中しましたし、前述の通り劇的な効果を期待していました。

演技に緩急をつけるということがありますが、言い換えるなら集中と分散を使い分けるという言い方もできるのではないかと思いました。


2020年8月24日月曜日

こうなってしまう前の話

8月18日 千年団 担当:飯坂

 新しいテキストが配られました。

今回は、コロナウィルスがここまで日常に入り込んでしまう前のお話、あの船のニュースがテレビに流れ、なんだなんだとみんなが騒ぎ始めた頃のお話です。

最初のころ私は「風邪でもないのにマスクするなんて変なの」と思っていたことを思い出しました。まさかここまで日常が変わってしまうとは夢にも思っていませんでした。

今回のお話は、まだ感染症にピンときていない姉妹のお話です。

いつも通りチームに別れて何度か読み、その後一組ずつ前に出てやってみました。

「あぁそんな時もあった」と思うにはあまりに最近ですけど、でもこうやってついこの間の春のことがテキストになるのはとても面白いなぁと思いました。

本番は2月を予定しています。それまでにもいろんなことが起こるのだと思います。

テキストがどんな変化を持つのか、とても楽しみです。

2020年8月11日火曜日

お盆とコロナとお彼岸と。

 8月11日 千年団 担当:梶川


お盆の週の火曜日。

次回公演に向けての脚本稽古が進んでいます。

コロナのさまざまなシチュエーションを扱いながら、その核には他の要素を盛り込んでいきます。

前作の「天井のひと」はパラレルワールドのように、微妙に設定のずれた3パターンの世界を配役を変えて(三人一役)で構成しました。

どうであれそこには、「弔い」という要素があったように解釈しています。

次回作は短いお話を編んで作り上げるオムニバス作品を予定しているわけですが。

すでに数本の短編を稽古場で読み合わせや立稽古をして試しています。

きょう稽古した「芥川ミルキーウェイ」や以前に稽古した「ポンポン山」は前作の「天井のひと」に通ずる「弔い」という要素があります。

なんだか先祖が戻ってくるお盆に「弔い」についての脚本稽古がとても興味深かったです。

日常と非日常が重なるお盆と新しい生活様式というこれまでの日常から少しづつ変容してきている状況がもしかすると同じ地平にあるのかもしれないと妄想しました。

2月に本番を予定して、時期的には春のお彼岸が近いわけで。

お彼岸も日常と非日常が重なるということで。

勝手に言っているので今後どんな作品が描かれるのかはわかりませんが、兎にも角にも今日の稽古は面白かったということを伝えたかったのです。

今日の「芥川ミルキーウェイ」はひとまずおしまいです。

次回は新作短編がはじまるはずです。

楽しみに待ちます。


2020年8月6日木曜日

足音

8月4日 千年団 担当:飯坂


前回読んだテキストが少し長くなって再配布されました。

前回は兄妹もしくは姉妹の話でしたが、今回は兄妹に絞られました。

「芥川ミルキーウェイ」というタイトルです。高槻市に流れる芥川付近を歩いている兄妹の会話です。


足音についての話がありました。

川付近をずっと歩いていることを表現するため、その場でずっと足踏みをします。

そのときできれば足音は出さないようにした方がいいと小原さん。

少なくとも相手のセリフを消さないように気をつけなければなりません。


去年の第一回公演「天井のひと」では長女は足音がうるさいという設定がありました。

意識的にそう演じるのは良いでのすが、無意識に出ている足音はみている人に優しくないですね。


小原さんが在籍していた劇団では、最初に足音を消す走り方を練習させられたそうです。

実際に走っていただきましたが、確かに足音がしなかったです。


演劇にはいろんな手法というか流派があります。

千年団もどんどん「らしさ」が生まれてきています。