2021年4月21日水曜日

台本を「読む」?

 4月20日(火) 15:00-17:00 千年団 担当:渡辺


チーフ小原さんより、今年度最初の台本が配られました。
名前は書いていないAとBの、何気ない会話のシーン。
A4裏表の短いシーン。しかしその背後に人間関係やいざこざを感じざるを得ない微妙なシーン。

一応小原さんはこの二人がどういう関係にあり、どういう場所で、どういう意味で喋っているのか、決めて書いているようでしたが、正解は必ずしも重要ではないというスタンスを貫いていました。
脚本家の意図から外れたところに演技の妙がありますね。

二人組のペアになって、皆あーでもないこーでもないと台詞の意味や発話の仕方について考えます。

演技について試行錯誤する際、台詞を一つだけ抜き出して練習してもあまり成果は出ない。
特に最初の内は、二人がどういう関係にあるのか、前の台詞から話題の転換を図るときにどういう「(行)間」が必要か、全体の流れや構造を考える必要がありそうです。
各ペア2回ずつ発表の機会がありましたが、二回目は明らかに深みが増していました。凄い。

台詞の中に「ドエル」の「ミルフィーユ」が出てきて、何度もその台詞を聞いてしまったので、どうにも今日の帰りはドエルに寄ることになりそうです。

2021年4月14日水曜日

不/自由を考える、自分の内と外で

 4月13日(火) 15:00-17:00 千年団 担当:渡辺

千年団の稽古場担当をして二週目です。今回もまた大いに困った。
困惑する時間が面白いですね、やはり演劇は!

本日の課題は、「自分だけが不自由だと感じていることについて」。
三人1チームに別れ、一人がこのテーマで、1分喋る。
一人はそれをしっかり見て、話の内容や身振り手振りを完全コピーして反復する。
もう一人はそのコピーされたものを見て、もう少しこうした方が…などとコメントをする。
という取り組みです。

まずお題が厄介でした。「自分だけ」が「不自由」と「感じる」?
不自由をどういうものとして考えるか。そして、それは「自分だけ」の問題なのかどうか。
実際に取り組んでみると、よく分からなくなってくる(小原さん曰く、そこがミソなのだそうで)。
それでもどうにか語らなければならない。

さらに厄介なのは、やはりそれをコピーするということ。
普段の自分から離れて、他人の言葉遣いや身体の使い方に身を委ねるという作業は、
自分が自分という枠にどれだけ囚われているのかを明かしてくれました。
他人との差異に焦点をあてることで、自分のことが分かってくる。
もちろん、他人のことも分かってくる。

私はまだ二回目の参加ですが、ただ会話をするだけよりも、
参加者のパーソナリティがよく分かってきた…ような気がします。

2021年4月9日金曜日

「稽古場」というscene(場面、舞台)の即興/上演

4月6日 千年団 担当:渡辺

今年度からシニア劇団の稽古場にお邪魔することになった渡辺と申します。
初日から色々な場面に居合わせました。面白かった。困った。

前半はウォーミングアップ。
2月の公演以降、初めての集まりだったので、こわばった心と身体をほぐすところから。
発声・活舌の後、シアターゲームを少々。
参加者の一人が他の演劇ワークショップに参加してゲームを仕入れてきた様なので、
当人に説明してもらって、みんなでチャレンジ。
このゲームはどういうところが面白いのか、みんなで吟味しながらじっくり実践。

後半は2月の公演の振り返り。
3人ずつのチームに分かれて話し合い(人数合わせのため、私も飛び入り参加)、のち発表。
普通に発表してもつまらないということで、チームの中の2人が、もう1人の言っていたことを
「噂話」のように説明する、というような発表形式が講師より考案されました。
「〇〇さんな、あの公演の時××だったらしいで?」といった具合に。即興で。
急な提案に「えー!?」という声も上がりましたが、1~2年の間小原さんのもとで鍛えられた参加者たちは、
苦戦することなく意気揚々とこなしていました。

講師の小原さんの立ち居振る舞いからは、まさに「シーンをつくる人」といった印象を受けます。
考えてきたことを皆にやってもらう、のではなく、まず集まった人間たちが今どういう状態なのかを見極めて、
今何をしたら面白いのか、どうすると活発なコミュニケーションが交わされるのか。
その場その場で考えていくという稽古場スタイルでした。
とはいえ決して「行き当たりばったり」という訳ではなく、当日のメンバーの様子をじっくり観察したり、
初対面の私の存在も加味したりして、濃密な場を構成していたように思います。

先導する講師と、それにのっていく参加者たちとの、強力な信頼関係を感じられた2時間となりました。
実作に入ったらどういう動きが生まれるんだろう。今から楽しみです。