2022年12月21日水曜日

【千年団】もう軌道に乗ってしまった

12/20 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 研修室 担当:渡辺

大まかな構成だけではなく、細部にもかなりこだわりが行き届いてきて、
このセリフのときにこの動き、みたいなことも確立し始めました。
俳優が各々に創意工夫と試行錯誤をしていて、もうだいぶ面白い。
チーフもアドバイスしたり多少のディレクションをしたりもしますが、基本的には感想を言うくらいで、作品はもうほとんど俳優たちのものになっている感があります。
稽古時間の最後に各チーム毎にシーンの一部を発表するのですが、チーフの頷きや笑い、驚嘆の声などがどんどん漏れ聞こえてくるようになってきました。

すでにある程度見せられるものとして成立してきているので、
もうこの方向で練習を続けていれば、今のペースでも近いうちに完成してしまうのではないか、とすら思えるのですが、
1月の後半からは自主稽古というか、開始時間を早めて長めに練習し始める俳優もいるようです。
スポーツ×チェーホフということで、内容がハードだったりもするので、体調だけは崩さないようにしたいところです!














2022年12月14日水曜日

【千年団】演劇的な様々

12/13 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺健一郎

今日も今日とてスポーツ×チェーホフ。
テニスの観客が、ボールのラリーを眼で追うのを合わせる。
相撲を、紙相撲や指相撲など、色々な仕方で展開させていく。
ゴルフを、実際に棒を用いて演じる。などなど。
どれも難しく、面白い。

アンサンブルとか、構成とか、モノとの戯れとか、演劇に関わる重要ないろんな要素がスポーツから導き出されてきます。
洗練させていったらもっと面白く、カッコよくなりそう。
練習できること沢山!それだけに大変ですが、やりがいはありそうです。















【そよ風ペダル】順風満帆、おそらく

 12/13 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 研修室 担当:渡辺健一郎
















準備運動、しっかりやるとしっかりキツイ。
最近腰が痛いので、地味な運動ですが週1回身体を動かせる機会があるというのは意外と助かる(私は毎回準備運動に参加している訳ではないですが…)。
















今日も台本1枚分進みました。
抑揚はっきりした、メリハリのついたシーンで大変面白い。
たくさん笑ってしまいましたが、これは台本のおかげなのか、俳優のスキルが上がってきたからなのか。













2022年12月7日水曜日

【そよ風ペダル】試行!!!

12/6 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺

ここ1週間でだいぶ寒くなりました。今日は最低気温2℃!
寝床につくときの温度調節が大事ですね、私は起きたとき毛布から出られませんでした。


練習始まる前の時間、クロアチア戦の話で盛り上がっていました。

メンバーみんな、高めのテンションを維持しながら2時間稽古し通しました。

そんなに長くないシーンを繰り返し何度も、配役を変えて演じてみます。

かなり細かい、セリフのリズムと力感?の試行錯誤。どの現場でも俳優が繰り返し指摘されていることですが、テンポが良いというのは、スピードがはやいということではない。「良い間合い」をはからなければなりません。これを模索していきます。













今回の芝居はいわゆる「ウィットに富んだ」セリフがいくつか出てきます。

太平洋の方角からHA-HA-HAと笑い声の聞こえてきそうな。

これをどういうテンションで言えば良いのか、というのは大変難しい。

日常会話の延長線上でサラッとやるのか、「あくまでこのセリフはウィットに富んだ面白セリフだよ」というテイでわざとらしくやるのか。

いろんな試行錯誤がありえそうです。


やはり俳優たちからもこのウィットに富んだセリフについて「これは"真面目"にやった方が良いですか。言ってるキャラクター本人は大真面目ですか」と質問が飛びました。

リーダーは、「本人が真面目かどうかはわからないですが、演じ方としては真面目に」と返しました。なるほど、とりあえずはそれくらいの意識が良いのかも。














さて同じシーンを10回も繰り返してやったわけですが、キャラクターの雰囲気が毎回ガラッと変わります。

俳優自身の個性によるところももちろん大きいですが、演劇ですので共演者の出方次第でも変わっていきます。

俳優自身、いたって普通にやっているだけなのに、見ている側からすると大変面白くて、爆笑が生じたりもします。予想外の反応によっても、演技は影響されたり。


予想外に面白くなった(できた)ことを、次にもう一度、というのは大変難しいのですが、そういうことをやっていかなければならないのが辛いところ。

2022年11月23日水曜日

【千年団】細部へのこだわり、執拗な

11月23日 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺健一郎

キャストと仮タイトル?がひとまず決まりました。
「みんなでチェーホフ」。
現代の様々なスポーツとかけあわせて、チェーホフの短編の新解釈が試みられます。

今後は決まった役で、セリフを覚え、演出や構成を洗練させていく作業が基本になります。
ただセリフにあわせてテニスをする、などといったことではなく、このセリフのときはノーバウンドで、とか、この感情にあわせてスマッシュして、といった細かい決め事が必要になります。もちろんそれを協同してやらねばならないので、なおさら大変です。
本番まで半年以上あるので、練習が飽きてくるんじゃないか、という懸念もあるのですが
詰められるところはかなり多いので、やることがなくなるという心配は要らなさそうです。

私の個人的な感覚ですが、演劇の稽古には「想像力を働かせて、色々試してただ遊ぶ」というモードと、
「人に見せるためにしっかり作っていく」モードとあって、後者の段になるとだんだん緊張感が出てきます。セリフを覚える、という苦労も経由しないわけにはいきません。楽しいけど大変。

とはいえ、試行錯誤はまだまだ尽きません。楽しみながら輪郭が見えてくる今の時期に、どれだけ膨らませられるかが重要なのかも。とりあえず毎回楽しいです。






【そよ風ペダル】ダンサー達が作る空気感

 1122日 そよ風ペダル 担当土井

台本が40ページまで進みました。今日は参加者9名。6人のダンサーと振付師、ハルアキとヒロコと役の数も9だったので、振付師の登場から本日の台本のラストまでを何度も休みなく稽古。


ダンサーはこの先稽古をして行くとどんどんダンスのクオリティが上がりますが、役柄上それはそれで又困るようです。その辺の匙加減が難しい。

ダンサーは盛り上がったとき、「イェーッ」といったリアクションがあるのですが、それを噛み合わせつつ、しかしこれも皆が同時にやると一瞬にピークが終わってしまって残念。ちょっとずれたり、表現を変えるとピークを長引かせ、盛り上がりを続ける事ができます。

ハルアキが登場、台本にはないけど、彼に対する挨拶があるはず、又休憩になった時のリアクションも。これらがあると6人がチームだと言うことがはっきりします。チームでありつつ、6人6様、身体つきも違うしそれぞれの個性もあるはずです。

センターのダンサーの基本ポジションは最初は膝をついていますが、ハルアキの登場後会話の時は立ってもいいのです。

毎回ひとりずつ順に役を代わって何度も稽古していくうちに、6人のダンサーの空気感が生まれました。最初は6人が舞台に出ているだけだったのが、ひとつのチームに見えてきました。

最後ヒロアキが探している落とし物は「ポテンシャル」。

(この言葉も語尾を上げて発音すると今っぽい、意味は潜在能力、自信、だそうです)そんなものを落としてしまったら一体この先船上イベントはどう展開するのでしょうか?

2022年11月16日水曜日

【千年団】表現が、パッと生まれる

 11/15 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター研修室 担当:渡辺健一郎

だいぶ寒くなりました、が、晴れた日に着込んで日中しばらく歩くと汗ばむ感じもありますね。

引き続きスポーツ×チェーホフ。











本日はゴルフ、ボーリング、綱引きです。
毎回書いているような気がしますが、本来関係のないはずのセリフと動きがなぜかマッチしてしまったときの面白さといったら!

この手法の何が面白いのだろうと考えていたのですが、一つには「表現をめぐる偶然と意図との相乗効果」みたいなものがありそうだと思いました。
台本に「決めた!」と書いてある。そのセリフと同時に「パットを決める」という動きをする(このシーンで私は大笑いしてしまいました)。
この掛け合わせは、最初から狙ってできるものではないでしょう。かといって完全に偶然に生まれたものでもない。いろんな偶然に基づいて、いろんな想像力/創造力を働かせた結果だと思います。

そろそろ配役を決めて創作にとりかかる段に入っていきそうです。
大変、楽しみ。






【そよ風ペダル】全体像(1/3?)

11/15 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター小ホール 担当:渡辺健一郎

ここまで完成している台本で。いったん通しました。まだ通して30分くらいですが。
改めて、これはかなり「分かりやすい演技」が求められる芝居だな、と思いました。

しかし「分かりやすい演技」とはどういうものか、ということについては大変分かりづらい。
例えば「怒」の演技は、怒鳴るような仕方で大きな声を出せば、だいたい分かってもらえます。それは「怒」という感情が十分に知れ渡っているからなのかもしれませんが、いずれにせよこういうのは、分かりやすい「分かりやすい演技」です。

ただし今回の芝居は、舞台上における人と人との関係だけではなく、次々と展開されるシーンとシーンとの関係が重要です。
シリアスなシーンを演じたかと思えば、次のシーンでそれを完全にひっくり返して笑いにする。といった様に、どんどん演技のモードが変わっていくのです。

俳優はこの場合、シーンを演じることに注力するのではなく、作品全体の中でこのシーンがどういう役割を果たしているのか、ということにも気を配らなければならない。
それゆえに、全体像を把握するための通しが大変重要になってきます。

なんとなく感じていたこの芝居の面白い点、難しい点が、色々見えてきた気がします。




2022年11月9日水曜日

【千年団】リアルのありか

11/9 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 担当:渡辺

アイデア増幅期間中。
毎週メンバーを入れ替えて、いろんなシーンをいろんな仕方で何度も別様に演じ直しています。
日々新たなアイデアが登場し、面白くなっていきます。話の流れは同じはずなのに、まったく違った表現がどんどん出てくる!
今回はボクシングや相撲で闘いながら(あるいは審判やセコンドとしてそのまわりを取り囲みながら)セリフを展開しました。

既に決まっているセリフと、俳優たち自身で生み出した動きが、直接の関係がないのに、強くシンクロしている「感じがする」。
表面上はつながっていない、表現の仕方と内容とが、観ている側の想像力を介するとつながって見える。リアルに見える。
舞台上で行われている表現を「文字通り」読み取ろうとしたら、意味はわからないはずです。相撲の取り組みをしながらチェーホフを演じるだなんて、なんとおかしなことか。

いわゆる「リアリズム」とは遠い今回の表現形式が、何らかのリアリティを持つこと。演劇の不思議な面白さの一つがここにある気がします。

ちなみに私は、スポーツの身体表現がリアルであればあるほど面白いのだろうと思って観ていたのですが、帰りが一緒になった俳優の一人は、現状ではきっちりやり過ぎていないから面白いのではないか、と言っていました。
確かにそうかもしれない。あるいは、「面白さ」の方向性が違うのかもしれない…? 今後稽古を継続していくなかで、そういった謎が少しずつ解明されていくかもしれません。
楽しみは尽きません。





2022年11月2日水曜日

【そよ風ペダル】ヌケ感

 11/1 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 担当:渡辺

そよ風ペダルの稽古場にお邪魔したのは3週間ぶりです。
日々台本が追加されているようで、未見のシーンが一つ、短いものではありますがだいぶ出来上がっていました。
事前に台本を読まずに見させてもらいましたが、かなり笑ってしまった。
3週間ぶりにしてはそんなに進んでいないか? とも最初思ったのですが、
結構こだわって作り込んでいたのではないかと推察されます。
「笑いを意図したシーン」で「笑わせる」って本当に難しいことだと思います。
笑わせるぞ、という意識が強くなりすぎちゃうと、観客も身構えて笑えない。
「マヌケ」という言葉がありますが、演じる際には間を"抜けさせる"のではなく、"抜けているように見える"のでなければなりません。抜けさせる、という意図が前面に出てきてしまうと、野暮ったくなるというか、押し付けがましくなるというか、いずれにせよ笑えなくなってしまう…
演劇では、「練習しすぎるのは良くない」みたいなことをよく聞きます(実際にそうなのかはさておき、演劇関係者にとっては分かる話として結構流通している)。
それは、「こう抜いたら上手くいくんだな」みたいな感覚が身体に染み付いてしまい、演技がしっかりしてくる。ヌケ感がなくなってしまう。といったことなんだろうと思います。
とはいえ、さらに練習を続ければ、しっかり抜けられるようにもなるとは思うのですが…
今はちょうど良い時期なのかもしれない。良い具合に抜けていて、大変面白い。
今後どうなるのかは、要チェックです!




2022年10月26日水曜日

【千年団】創意工夫は制約の中で

 10/25 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺

前回に引き続き、チェーホフ×スポーツで練習を進めていきます。
いくつかの短編に、俳優が割り当てられ、各々で話合いながら試行錯誤が行われました。
本番まではまだ時間がありますので、色々試す段階。


とくにチーフが指示することなく、俳優同士でどんなスポーツにするか、どうやってシーンをつくっていくか、どんどんクリエイションが進んでいきます。

前回は、ラケットやバットでボールを打つ、その動作とセリフのマッチが面白く感じられましたが、今回はそれだけじゃなかった。
例えば「ゴルフ」という設定の場合。グリーンの芝目を読むために大きく屈む、といった動作をしながらセリフを言うことで、不思議と演技にリアリティが出てくる。
「バレーボール」の設定では、球出しの人とレシーバーの人とで、関係の非対称性がよく表される。

シーンが面白くなるように、みんなで好き勝手創作して!というような指示だったら、こんなに豊かな表現は生まれなかったことでしょう。
「スポーツ」という(強くはあるけど幅の広い)制約があったことで、俳優たちからどんどんアイデアを生み出され、ブラッシュアップされていったのだと思います。

スポーツといっても、実際に競技の中で動き回る選手だけではなく、審判や観客がいたり、
準備段階やブレイクタイムがあったり、まだまだ様々に広げようがありそうです。
これは毎回楽しい稽古になりそう!どのアイデアも面白いので、本番でどれを採用するのか困ってしまいそうです…








2022年10月19日水曜日

【千年団】トーンを決める身体

 10/19 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 担当:渡辺







今年度稽古が始まって以降、チェーホフの短編をたくさんやってきました。
6月の本番に向けて、これらを組み合わせて構成していきます。

一つの特色は、もともとの戯曲には書かれていないシチュエーションを設定して演技をすることです。
登場人物たちがテニス場やゴルフ場やバッティングセンターなどにいるという設定で、チェーホフのセリフを読んだらどうなるか?








一般に、演技の練習をするとき「余計な力を抜いて」などといった指示がとぶことがあります。
セリフを言うぞ言うぞ、と肩に力が入っていると、ぎこちない喋り方になってしまったりするからです。
ところが今回は、「テニスのラケットや、野球のバットでボールを打つ」という動きをしながらセリフを喋る。ある意味では「余計な力」をどんどん入れていくわけです。
ただ、これがなぜだか「自然」に聞こえてくる。シチュエーションとしては不自然でも、セリフの言い方が自然な感じがするのです。
例えば怒りの感情と、ボールのインパクトの瞬間の身体の動きとがマッチして、ただ「怒る演技をする」よりも、「怒り」がより良く表現されたりする。

これまでの千年団とは、少しテイストの違う演劇になりそうです。まだ半年以上先ですが、既に面白い!



2022年10月12日水曜日

【そよ風ペダル】身体がモノを言う

 10/11 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 担当:渡辺

一週お休みをいただいている間に、急に寒くなりました。
日中は少し暖かかったですが、朝晩はやはり冷え込みますね。みなさま体調崩されない様お気をつけください。

今回はダンサー役としていつもより自由に?身体を動かすシーン。
「ダンサー的な身体の使いかた」というイメージと、俳優たちの個性とがかけ合わさって、面白い表現がたくさん見れた気がします。

「目は口ほどにものを言う」などと言ったりしますが、最近みんなマスクにすっかり慣れてしまい、口元を見せないのが普通になりました。
それだけに、これまでよりも一層「目」や顔の口以外の表情を巧みに動かしてコミュニケーションをとる人が増えたような気がします。
あるいは、相手が笑顔になっていることを、意外と口以外の要素(例えばほっぺた辺りなど)から判断していたりするんだな、ということが分かってきました。
顔だけでもこれだけ伝わるのだから、身体を動かせばなおさら伝えられる。言葉がなくとも。
「本当は不満だけど、仕方ないからやってやるか」みたいな複雑な感情も、身体があれば伝わる。
ほとんどの役にセリフのないシーンでしたが、それだけに身体の表現の面白さが際立った感じがしました。




2022年10月5日水曜日

不安な気持ちが所作に現れる

 104日 そよかぜペダル 担当土井

外は夏の気温ですが稽古場は集中管理の冷房が効き過ぎています。しっかりストレッチを30分、リーダーより伸ばす目的の身体の部位を教えて頂くと、その部分に意識が集中します。普段意識しない筋肉を伸ばすのは気持ちいいものです。


台本は25ページ改訂版から28ページまでが完成。

23ぺーじから28ページを何度も稽古します。この場面のキャストは8名、本日は全員参加の12名、どんどん役を変え稽古を繰り返します。時々、「その役はさっきやりました。」と言う事にも。


この場面は3人ずつ、順に3組登場します。船長はダブりますが。ところてんのように、会話をしているチームがスルスルと変わっていく感じにしたい。

料理長の不安を船長が優しく守ります。

料理長の不安な所作が今日の稽古の一つのポイント、この所作を続けながら会話をします。手だけではなく身体全体もソフトクリームを作る速度で動くのがなんとも愉快です。


メンバーが「モチベーション」を平板で言って、とても新鮮で面白かったのです。(ベー、の部分ですね)本来の英語のイントネーションではなく平板で言う外来語はいくつかありますが、平板で発音すると言葉のニュアンスが変化し、可笑しみが生まれます。ダンサーとダンサー、クラブとクラブ、・・・等々頭の中でいろいろ上げてみます。そのニュアンスの違いは何なのでしょうか?


話がスムーズに繋がるよう、立ち位置の交通整理をしました。

上手から船長、はるあき、ひろこの順番が守られれば、次に出てくる料理長と船長との会話がスムーズにいきます。

司会者達は上手から3人の後ろを通って下手側に周り、ひろこと対話します。でも臨機応変に対応すれば立ち位置が違っても上手くいくものです。今回は航海士が一歩下がっていたので自然に見えました。

基本は、誰と誰が会話するのかがわかっていればいいのです。

通常は客に身体を開くのと反対に、時に人を遮断する事もありますが、それで誰が喋っているのかを客に示す、その配慮が出来るように稽古をします。

ラストは19ページから28ページをフルメンバーで。最初からの稽古を見てみたいと思いました。





2022年9月28日水曜日

【そよ風ペダル】ディレクション、方向決定

9/27 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 担当:渡辺

だいぶ湿度が高かった!
まだ残暑、なんでしょうか、マスクしてると蒸れますね。

演劇における発話って本当に変なもので、必ずしも喋る相手の方を見ていなくても良い。イメージしやすいのは、「お客さんの方を向いて喋る」という、例のあれです。
ドラマで、探偵が下を向いてうろうろしながら推理をつらつら述べる、みたいなシーンがあったりしますが、ああいうのともまた少し違う。
探偵が「人の目を見ないで喋る」のは、「そういう仕方でコミュニケーションをとる変な人」などといったキャラクターに関わることですが
演劇で俳優が客席を向いて喋るのは、表現の構造やルールに関わることです。
話し手が明後日の方向を向いて喋っているのに、他の登場人物たちはそれにいっさい疑問を抱かない。

本当はとても不思議なことです。
だから、それを「普通に」演技しようとすると、できない。どうしたって会話の相手の方を向いてしまいます。
その「会話の演技」は、極めて特殊な発話をしているのだという意識が必要になります。
演出のことをディレクション:direction=方向決定などと呼んだりしますが、俳優も、自分の意識を芝居がより面白くなる方にdirectionしていかなければなりません。

いま出来上がっているところまで、通してやってみました。
芝居の方向が、だいぶ見えてきました。それにともない、演技もどういう方向で行けば良いのか、おおよその目安がついてきました。微調整はあるにせよ、目指すべき形は見えてきた…気がします。

ただ、旅してまわっている客船が、航路を見失って港につけなくなる…というお話なので、芝居もどんどん方向転換していくかもしれませんが…!




 

2022年9月21日水曜日

【そよ風ペダル】ずらして、繰り返す

 9/20 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター多目的ホール 担当:渡辺

台風が通り過ぎました。高槻付近は幸い大きな災害には見舞われませんでした。
台風一過の秋晴れ、肌寒いくらいです。長袖が必要になりました。

配役をローテーションして、同じシーンを何度も何度も(10回くらい?)練習しました。
配役を変えて試してみるという稽古はよくあることですが、ここまで繰り返すのはなかなか珍しい。
前回のブログでも書いた通り、今取り組んでいる作品はなかなか「演じ分け」の難しい作品なのですが、しつこく繰り返して稽古しているとどんどん上手くなっていくのが感じられます。
同じ俳優が同じ役を繰り返し練習している訳じゃないのに、上手くなる。他の人がやっているのを見て、この方法は良いなとか、ここはもう少し面白くできるなといったことを、知ってか知らずかどんどん学んでいくのだろうと思います。

あるいは単純に、繰り返し同じシーンを見聞きすることで、シーンの勘所?みたいなものが掴めてくるのかもしれません。
とはいえそれぞれに個性もあって、脚本をぱっと見た限りでは思いつかなかった演技のアイデアがいくつも見られました。




公演に向けてのミーティング

920日 千年団 担当土井

今日の予定は公演について皆でミーティング、心配されていた台風が去り、集まることができて幸いです。


ストレッチ、発声・滑舌練習の後は車座になって自分が感じた事、または過ごした事を皆の前で話します。改めて人前で何かを話す事になると何を話そうか、どう話そうか緊張します。稽古の前にはある程度何を話そうか決めているのかしら?そうする事で「あ、これ話せるかも」と日々過ぎる事を意識することになりますね。また、「書き出す」ということについての話もありました。本などで見つけたいい言葉を書き留めておいたらいいな、と思うことはあります。なかなかできないのですが。


さてミーティング。

公演は来年6月、チェーホフの短編を何本かやる、又はコロナによる人数制限でそんなに多くの人には見てもらえなかった去年度、一昨年度の作品をタイトにしてやる、という案がありましたが、チェーホフの短編をやる事に決まりました。

それぞれ20分以上ある作品を5つ。どれも今まで稽古してきた作品です。戯曲そのままではなくチーフが上演台本を書いて下さいます。


ホワイトボードに作品のタイトルと役名を書き、2グループに分かれてキャスティングを考えます。9人出席、4名お休みでしたがお休みの方の名前もあちこちから出ています。

そして発表。

ボードにノミネートされた名前を記入します。2グループの意見が合うものとそうでないものがあります。男性の役は皆の意見が合致しているようです。今までの稽古の中で既にキャラクターが出来ているのでしょうか。女性の役はいろいろな意見が出ていました。ほとんどが自分がやりたいと手を上げたものではありません。


ボードの情報をグループLINEで周知し、個人のLINEでチーフに自分の希望の役、避けたい役を1から順番に3つ書いて送ります。来週には決定しますとの事です。


今回は何かスポーツをしながらチェーホフを演じることになります。

さてどんなスポーツが登場するでしょうか?


 さて、作品の一つに長い台詞をひとりきりで語る作品があります。役は男性なのですが、女性が演じるのもあり、男性3人のトリプルキャストという場合もあり、と。まだ時間はいっぱいあります。誰がやってもいいように、全員が台詞を覚えるということには?


早々と追加稽古のスケジュールの話にもなりチーフから「稽古期間が長すぎて飽きるということはないか?」と質問がありました。どうでしょう?





2022年9月14日水曜日

【そよ風ペダル】演技が分かること/演じ分け

 9/13 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター大ホール 担当:渡辺

二ヶ月前の稽古場ブログでも書きましたが、今回の芝居は劇中劇があったり、さまざまな「メタ演技」が必要だったりします。これを演じ分けないと、観客になかなか伝わらない。分からない。

例えば。人の言葉を引用する時と、それについてコメントするときでは、語り口を変える必要があります。
日常で
「Aさんが『どうせ騙されてるって気づかないんだから』って言ってた。ひどくない?」
などといった発話があります。
Aさんが酷い人だと感じているなら、Aさんが言ったとされる言葉を再現するときには、ちょっと嫌味な感じで発話したりすると思います。

上の台詞は単純な「引用」ですが、話が混み入ってくると、聞いてる側は「それは今誰の言葉?あなた?Aさん?」などと分かりづらくなったりします。
日常会話に祭しては分からなくなったら聞き返せば良いので、あまり問題にはなりませんが、演劇の場合ははっきり区別して演じ分けなければなりません。

演劇ではまた、誰に向けて喋っているのか、ということも問題になります。
これは日常会話ではほとんどあり得ませんが、独白や傍白(観客にだけ情報を提示する)と会話(舞台上の相手とコミュニケーションをする)とが入り乱れた発話をしなければならないことがある。
この切り替えも明瞭にやらねばなりません。

演技のスタイルを瞬時に変えなければならないので、大変高度なことです。
ただ、今回の芝居はこういう演じ分けをちゃんとやらないと伝わらない。
話の構造自体は決して難しくないのですが、演技の技量は求められます。

俳優は大変そうですが、多少難しい方がやりがいがあって良いはず!




2022年9月7日水曜日

【千年団】演技と自由

9/6 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 多目的ホール 担当:渡辺


自分の話で大変恐縮ですが『自由が上演される』という本を講談社から出版しました。

稽古場で宣伝させてもらったら「自由」という言葉に反応して、みんながいろんな話をしてくれました。

旅行先で自由を感じた人、病人の介護等で不自由を感じた人、文学作品から宗教と自由の問題に触れた人など様々ですが

いずれにせよ「自由」についてはみんな色々思うところがありそうで、話題が広がります。


俳優というのは非常に厄介な存在で、多くの場合、何を言うかは決められている。その意味では不自由です。

ただ、演劇をやっている人がそういう意味で「不自由だ」と感じることは少ないように思います(演出家が横暴だったりするとその限りではありませんが)。


そういえば山崎正和『演技する精神』で、人間は社会生活を営む上で絶対的に不自由なのであって、演技することではじめて自由になれるのだ、などと言っていた気がします。


前回に引き続きチェーホフ『プロポーズ』をやりました。変なプライドや、個人的なこだわり、そういうものにとらわれて、外から見ると一見不自由な人たちのお話です。ただ、このような登場人物たちを演じることで快楽を覚える。これは一体どういうことなのか(とはいえ、演技が上手くいかないな、と感じられるとやはり「不自由」な気がしてしまう)。


いずれにしても、こういうことで頭を悩ませること自体が楽しく自由だなと思えます。演劇って楽しく自由だなと思えます。





2022年8月31日水曜日

【千年団】やろうとしすぎない

 8/30 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 担当:渡辺健一郎

朝晩だいぶ涼しくなりました…が、日中の陽射しはまだまだ厳しい。水分補給は必須です。

本日もチェーホフ。短編喜劇『プロポーズ』です。
チェーホフにしては珍しく、特に教訓めいたもののないコメディ。
ストーリーやドラマというよりも、シチュエーションだけでシーンが展開していく、言ってみればコントのようなもの。
全体を通じた「意味」に欠けるぶん、見せものとして成立させるのは、もしかしたらこれまでで一番難しいのかもしれません。俳優の技量や個性が如実に表れる?

いずれにしても千年団の演技スタイルは「やろうとしすぎない」ところがとても良い。コメディだと無駄に力を入れて面白おかしく演じてやろう、みたいな意識が働きやすいですが、ただ真剣に言葉を交わすひとたちのすれ違いがそれ自体で面白い。戯曲=素材の味がそのまま出ている感じがありました。

これまでチェーホフの短編をいくつかやりましたが、ここからどうやって上演に結びつけていくのか?
単なるオムニバスなのか、はたまた。