2022年6月22日水曜日

【そよ風ペダル】リズムの交錯

6/21 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター大ホール

大阪の北摂地域は、正午に土砂降りに見舞われました。
朝方、前日から干しっぱなしだった洗濯物を取り込んだのは正解でした。
小雨が降っていたので、「しばらく干しとくか」と判断することもあるのですが。

今回は月に1回の富田の日。毎度来るたび思います、大きめのホールは心地が良い。
毎度来るたび思います、無料じゃなくても良いんじゃないか。
そしてここで公演させてくれても良いんじゃないか。
(週に1回、最大4時間しか借りられないので実質無理なのです。お金もとれないし)。

さて毎回少しずつ戯曲が上がってきます、次回作。今回もまたA4一枚、追加されました。

演劇の何が面白いんだろうと、個人的に改めて考えています。
今期の稽古場では、演技のリズムのことがかなり問題にされているのですが、
最近、お話を面白く見せるためにリズムを変える「のではない」なと思うようになりました。
演劇は「リズムそのもの」を上演しているんだな、と。
ややこしい話に聞こえるかもしれませんが、もっと単純に言えば。俳優の演技の面白さが最も大事で、そのためにストーリーがあるのではないか、ということです。

リズム、というのはもちろん「速いテンポ」ということではありません。少なくともそれだけではありません。
つんのめる様な崩したリズム、スタッカートの様なはねるリズム、機械的な淡々としたリズムなど、様々に考えられます。
リズムを変えて遊ぶのは大変楽しい。一緒に演じている俳優と共振したり、互いにリズムを崩しあったりして、いろいろ遊び方を模索するのが楽しい。
そしてリズムを変えるためには、「悩む」、「息を吸う」、「ぼーっとする」など、台詞とは別の演技も必要になるでしょう。

そして自分のセリフの中でどうスピードを変えようか、抑揚をつけようか、ということよりも、
相手とのやり取りの中で、どういう「リズムのやり取り」を考えられるか、が大事なのだと思います。
やりがいあるなぁ!










2022年6月15日水曜日

【そよ風ペダル】舞台に立ち、振る舞い。

6/14 14:00-16:00 高槻現代劇場306  担当:渡辺

久しぶりに稽古場にお邪魔しました、そよ風ペダル。
私の知らないあいだにメンバーが増えていました。
いつも現代劇場の和室を借りていましたが、手狭になってきたので、広めの306に。
演劇は物理的な環境に大きく左右されます。よりよい環境を求めて場所を変えたり、制限ある環境の中でどう立ち振る舞うかを模索したり。当然予算と相談することなども必要で、それ自体が演劇の醍醐味の一つだったりも(大変ですが)

久しぶりに見させてもらったそよ風ペダル、だいぶ違ったリズムで作っているな、という印象がありました。
ゆっくり、たっぷり、面白く。それに伴ってより高度なことが俳優に求められるようになった。

来年の本番に向けた脚本、最初の2ページですが上がってきました。
チーフの筒井さんは、前までは「相槌」なども含めて細かく書いていたけど、
それをしないようにした、と言います。

戯曲に「うん」などと相槌のセリフを書くと、相槌を打つことが「義務」となってしまう。
喋っている方も、相手の相槌を待ってしまう。待つことを「義務」と考えてしまう。
しかし相槌は、会話の中で自然と出てくるものです。
そのため、必要があると感じられれば、その度に相槌を打てば良い。
相手が喋る演技をするときに、毎回同じ演技にはならないでしょう。リズムやトーンはどうしたって変わってくる。相槌を入れるべきタイミングも、もしかしたら異なってくるのかもしれません。

演劇の、よくある失敗?は、自分のセリフだけに注意を払って、
「相手のこのセリフのあとに自分のこのセリフで…」といった段取りにばかり気を取られることです。
自分のセリフを間違えないように、というのはあくまで基本。
相手が喋っているときに、どういう演技をするのか、舞台上でどういう在り方をするのか、というのが見せ所です。
相槌もまた、その「在り方」の一つと言えるでしょう。
相槌をめぐる変更は、おそらくそういうこと(俳優への、より高度な演技の期待!)を意図してのものだと思います。

稽古を2時間見た限りでは、すぐ色々試している人と、まだ自分のセリフにのみ集中している人といたように思います(台本を持ちながらなので、当然ですが)。
1年間の稽古で、どれだけ意識が変わっていくのか!楽しみ!






2022年6月8日水曜日

【千年団】熊、たゆたう気持ち

6/7 15:00-17:00 高槻現代劇場306 担当:渡辺

チェーホフ『熊』、5回目です。
何度やっても難しい。あるいは、やればやるほど難しい。良い戯曲の条件かもしれません。
人間なんて完璧に「分かり」ようがないのだから。

最後のほうのシーンを重点的に、細かく考えながらやりました。最も難しく、それゆえに「ドラマチック」な場面。
主要登場人物のポポーヴ、スミルノーフは、自分の気持ちがよく分からなくなる。
スミルノーフの方はまだ相手への気持ちががらっと変わるきっかけを見つけやすいですが、ポポーヴにはそれもない。

登場人物がそもそも自分の気持ちに自信をもてていないなら、自信満々に演技をすることはできません。

何だかわからない、というままに舞台に立たなければならない。

もちろん演劇の場合、客に伝わりやすいようにある程度ディレクションをつける必要があります。

分からないということが分かるように演じる…なんと高度なことか!

「分からない役をやっているんですよ」、という俳優自身の態度が前面に出てくるとあざとくなってしまうし…


3チームにラストシーンをやってもらう予定でしたが、タイムオーバーで叶わず。

もう一週、『熊』続けることになりました。






2022年6月1日水曜日

【千年団】熊、5月の終わりに

5/31 15:00-17:00 高槻現代劇場306 担当:渡辺

熊シリーズ第4回。
ここまでは2~3人の組を作って、シーンごとに別々のチームに演じてもらっていましたが
今回は全チーム、ラストシーンを練習・発表しました。
ラストシーンは厄介です。
「もう出ていって!いや…行かないで!」といったセリフの右往左往があったり、
「腹が立つ!」というセリフの中に(あなたに惹かれている)という意味を込めたりしなければならない。
終始そんな感じのシーンで、なんとなく演技をしているととっちらかっちゃう。
コミカルに、大袈裟にやるならまだしも、「キャラに頼りすぎず」というオーダーも飛んでくる。
しかし流石に4回目、みんな、感情に振り回される演技が板についてきた感じがあります。
一つ一つのセリフに様々なアプローチがあって、それぞれが面白かった。