2022年11月23日水曜日

【千年団】細部へのこだわり、執拗な

11月23日 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺健一郎

キャストと仮タイトル?がひとまず決まりました。
「みんなでチェーホフ」。
現代の様々なスポーツとかけあわせて、チェーホフの短編の新解釈が試みられます。

今後は決まった役で、セリフを覚え、演出や構成を洗練させていく作業が基本になります。
ただセリフにあわせてテニスをする、などといったことではなく、このセリフのときはノーバウンドで、とか、この感情にあわせてスマッシュして、といった細かい決め事が必要になります。もちろんそれを協同してやらねばならないので、なおさら大変です。
本番まで半年以上あるので、練習が飽きてくるんじゃないか、という懸念もあるのですが
詰められるところはかなり多いので、やることがなくなるという心配は要らなさそうです。

私の個人的な感覚ですが、演劇の稽古には「想像力を働かせて、色々試してただ遊ぶ」というモードと、
「人に見せるためにしっかり作っていく」モードとあって、後者の段になるとだんだん緊張感が出てきます。セリフを覚える、という苦労も経由しないわけにはいきません。楽しいけど大変。

とはいえ、試行錯誤はまだまだ尽きません。楽しみながら輪郭が見えてくる今の時期に、どれだけ膨らませられるかが重要なのかも。とりあえず毎回楽しいです。






【そよ風ペダル】ダンサー達が作る空気感

 1122日 そよ風ペダル 担当土井

台本が40ページまで進みました。今日は参加者9名。6人のダンサーと振付師、ハルアキとヒロコと役の数も9だったので、振付師の登場から本日の台本のラストまでを何度も休みなく稽古。


ダンサーはこの先稽古をして行くとどんどんダンスのクオリティが上がりますが、役柄上それはそれで又困るようです。その辺の匙加減が難しい。

ダンサーは盛り上がったとき、「イェーッ」といったリアクションがあるのですが、それを噛み合わせつつ、しかしこれも皆が同時にやると一瞬にピークが終わってしまって残念。ちょっとずれたり、表現を変えるとピークを長引かせ、盛り上がりを続ける事ができます。

ハルアキが登場、台本にはないけど、彼に対する挨拶があるはず、又休憩になった時のリアクションも。これらがあると6人がチームだと言うことがはっきりします。チームでありつつ、6人6様、身体つきも違うしそれぞれの個性もあるはずです。

センターのダンサーの基本ポジションは最初は膝をついていますが、ハルアキの登場後会話の時は立ってもいいのです。

毎回ひとりずつ順に役を代わって何度も稽古していくうちに、6人のダンサーの空気感が生まれました。最初は6人が舞台に出ているだけだったのが、ひとつのチームに見えてきました。

最後ヒロアキが探している落とし物は「ポテンシャル」。

(この言葉も語尾を上げて発音すると今っぽい、意味は潜在能力、自信、だそうです)そんなものを落としてしまったら一体この先船上イベントはどう展開するのでしょうか?

2022年11月16日水曜日

【千年団】表現が、パッと生まれる

 11/15 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター研修室 担当:渡辺健一郎

だいぶ寒くなりました、が、晴れた日に着込んで日中しばらく歩くと汗ばむ感じもありますね。

引き続きスポーツ×チェーホフ。











本日はゴルフ、ボーリング、綱引きです。
毎回書いているような気がしますが、本来関係のないはずのセリフと動きがなぜかマッチしてしまったときの面白さといったら!

この手法の何が面白いのだろうと考えていたのですが、一つには「表現をめぐる偶然と意図との相乗効果」みたいなものがありそうだと思いました。
台本に「決めた!」と書いてある。そのセリフと同時に「パットを決める」という動きをする(このシーンで私は大笑いしてしまいました)。
この掛け合わせは、最初から狙ってできるものではないでしょう。かといって完全に偶然に生まれたものでもない。いろんな偶然に基づいて、いろんな想像力/創造力を働かせた結果だと思います。

そろそろ配役を決めて創作にとりかかる段に入っていきそうです。
大変、楽しみ。






【そよ風ペダル】全体像(1/3?)

11/15 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター小ホール 担当:渡辺健一郎

ここまで完成している台本で。いったん通しました。まだ通して30分くらいですが。
改めて、これはかなり「分かりやすい演技」が求められる芝居だな、と思いました。

しかし「分かりやすい演技」とはどういうものか、ということについては大変分かりづらい。
例えば「怒」の演技は、怒鳴るような仕方で大きな声を出せば、だいたい分かってもらえます。それは「怒」という感情が十分に知れ渡っているからなのかもしれませんが、いずれにせよこういうのは、分かりやすい「分かりやすい演技」です。

ただし今回の芝居は、舞台上における人と人との関係だけではなく、次々と展開されるシーンとシーンとの関係が重要です。
シリアスなシーンを演じたかと思えば、次のシーンでそれを完全にひっくり返して笑いにする。といった様に、どんどん演技のモードが変わっていくのです。

俳優はこの場合、シーンを演じることに注力するのではなく、作品全体の中でこのシーンがどういう役割を果たしているのか、ということにも気を配らなければならない。
それゆえに、全体像を把握するための通しが大変重要になってきます。

なんとなく感じていたこの芝居の面白い点、難しい点が、色々見えてきた気がします。




2022年11月9日水曜日

【千年団】リアルのありか

11/9 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 担当:渡辺

アイデア増幅期間中。
毎週メンバーを入れ替えて、いろんなシーンをいろんな仕方で何度も別様に演じ直しています。
日々新たなアイデアが登場し、面白くなっていきます。話の流れは同じはずなのに、まったく違った表現がどんどん出てくる!
今回はボクシングや相撲で闘いながら(あるいは審判やセコンドとしてそのまわりを取り囲みながら)セリフを展開しました。

既に決まっているセリフと、俳優たち自身で生み出した動きが、直接の関係がないのに、強くシンクロしている「感じがする」。
表面上はつながっていない、表現の仕方と内容とが、観ている側の想像力を介するとつながって見える。リアルに見える。
舞台上で行われている表現を「文字通り」読み取ろうとしたら、意味はわからないはずです。相撲の取り組みをしながらチェーホフを演じるだなんて、なんとおかしなことか。

いわゆる「リアリズム」とは遠い今回の表現形式が、何らかのリアリティを持つこと。演劇の不思議な面白さの一つがここにある気がします。

ちなみに私は、スポーツの身体表現がリアルであればあるほど面白いのだろうと思って観ていたのですが、帰りが一緒になった俳優の一人は、現状ではきっちりやり過ぎていないから面白いのではないか、と言っていました。
確かにそうかもしれない。あるいは、「面白さ」の方向性が違うのかもしれない…? 今後稽古を継続していくなかで、そういった謎が少しずつ解明されていくかもしれません。
楽しみは尽きません。





2022年11月2日水曜日

【そよ風ペダル】ヌケ感

 11/1 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 担当:渡辺

そよ風ペダルの稽古場にお邪魔したのは3週間ぶりです。
日々台本が追加されているようで、未見のシーンが一つ、短いものではありますがだいぶ出来上がっていました。
事前に台本を読まずに見させてもらいましたが、かなり笑ってしまった。
3週間ぶりにしてはそんなに進んでいないか? とも最初思ったのですが、
結構こだわって作り込んでいたのではないかと推察されます。
「笑いを意図したシーン」で「笑わせる」って本当に難しいことだと思います。
笑わせるぞ、という意識が強くなりすぎちゃうと、観客も身構えて笑えない。
「マヌケ」という言葉がありますが、演じる際には間を"抜けさせる"のではなく、"抜けているように見える"のでなければなりません。抜けさせる、という意図が前面に出てきてしまうと、野暮ったくなるというか、押し付けがましくなるというか、いずれにせよ笑えなくなってしまう…
演劇では、「練習しすぎるのは良くない」みたいなことをよく聞きます(実際にそうなのかはさておき、演劇関係者にとっては分かる話として結構流通している)。
それは、「こう抜いたら上手くいくんだな」みたいな感覚が身体に染み付いてしまい、演技がしっかりしてくる。ヌケ感がなくなってしまう。といったことなんだろうと思います。
とはいえ、さらに練習を続ければ、しっかり抜けられるようにもなるとは思うのですが…
今はちょうど良い時期なのかもしれない。良い具合に抜けていて、大変面白い。
今後どうなるのかは、要チェックです!