2023年12月20日水曜日
【そよ風ペダル】生きることが役になる
2023年12月14日木曜日
【千年団】初見の楽しみ
2023年12月6日水曜日
【そよ風ペダル】範例としてのダイマル・ラケット
2023年12月1日金曜日
【そよ風ペダル】演劇のダンディズム:余裕を演じるダンディを演じる
11/28 14:00-16:00 高槻城公演芸術文化劇場 中スタジオ2 担当:渡辺
前回から「ダンディズム」が一つのテーマになっているようですが、そのテーマに即して戯曲を読みました。
「ダンディ」。考えれば考えるほど面白いです。
心の底から余裕に満ち溢れた「ジェントルマン」ではなく、実際は心身に(?)余裕もないけど、「あえて」余裕のある態度をとろうとし、そういう自分に陶酔する…それが「ダンディ」だということのようです。
武士は食わねど高楊枝、みたいなことでしょうか。
ジムに行って筋トレして、そういう自分に惚れ込む…のは違うか。機微が難しい。
いずれにしても、「ジェントル」であればそれは当人の本性というか性格というか、そういうものでしょうが、「ダンディ」はまさに「演技」の領域に位置しています。例えば自分の弱さだったりを隠して、気丈に「振る舞」ったりする、という意味で。
なので、「ジェントル」を演じるよりも、「ダンディ」を演じるというのは複雑に見えます。演じていることを演じなければならないのですから。
(筒井リーダーはいつもこういう厄介な演技を要求してきます!)
…いや。ややこしいことを言うようですが(そして今思いついたので自分でもよく分かっていませんが)、もしかしたら逆かもしれない。
「ジェントル」をほんとうに演じようとしたら、気持ちの奥底から役作りをしなければなりませんが、「ダンディ」を演じるためには、素の自分を残したままでも、ダンディズムに浸って遊んでいれば、それがそのまま役作りになる…?
今日は、二人でのやや不条理な問答のシーンでしたが、そこでも「真剣に演じようとするのではなく、目の前の問題に真剣に疑問を抱いて、真剣に応えてほしい」というオーダーがなされました。
ダンディを演じること、と通ずる話なのかもしれません。
ちょっとまだわかりませんが、「ダンディズム」というのがそれ自体で非常に面白い仕掛けであるような気がしました。
2023年11月21日火曜日
【そよ風ペダル】真顔でダンスでダンディに!
11/21(火) 14:00-16:00
富田ふれあい文化センター小ホール
担当:岡田
受講している方に柚子を頂きました!
これから寒さが厳しくなりますが、旬のものを食べ、定期的に運動し、寒さに負けない身体を作っていきましょう!
まずは今日もストレッチから。
「筋トレ」とも「ストレッチ」とも呼べるような様々な運動で身体を動かします。
今日の稽古では「ダンス」をするので、手首・足首を入念にほぐしておきます。
続いて、発声練習。
ストレッチと同じく、毎週続けていると体に大きな変化が生まれてきそうですね。
さて、台本を使った稽古です。
台本は、先々週配って一度読んでみた、宮藤官九郎の戯曲の見開き1ページ目です。
この見開きには4名が登場します。
その4役を講師の筒井さんが受講生に振り分けて、何度か読んでみます。
途中からは、客席と舞台を作って、動きながら読んでみます。
一応本来の戯曲上の設定では、町のたばこ屋の店主として3人のおばあちゃんが並んで座っていて、そこに1人の女性が通り過ぎる、というものです。
ト書きに書かれていることも忠実にやってみます。笑うところは笑う、真顔になるところは真顔になる。
表情を作るのは意外と難しい演技です。
例えば、「怒っている」と台本に書いてあるときに役者は「怒っている」表情をしようとします。その表情が記号的な「怒っている」表情になってしまうと、観客側からは怒っているように見えてはきません。
言葉で説明するのは難しいですが、記号化していない自然な表情で感情を伝える演技が求められるのです。
手がかりとして、2つの映像を少しずつ観てみました。
1つ目が、ドイツのアーティスト「ピナ・バウシュ」による作品です。ドレスコードの数十人の高齢者が「真顔」で少し変わったダンスをしている作品です。
2つ目の映像も、50歳ほどの男優が「真顔」のままダンスをするものです。
どちらも真顔のまま、身体を動かす作品です。しかも身体の動かし方は、普通なら真顔の状態ではやらない動かし方です。
次回公演で目指すひとつの形がそれです。
別の言い方では「ダンディ」。
ダンディのためには「真顔」が必要です。
真顔を習得して、更なるダンディを目指しましょう。
次回公演で使用するかもしれない音楽も筒井さんから紹介され、早速その音楽をかけて真顔で踊ってみます。
ダンスに没頭して真顔になる。俺を見ろ、私を見ろと。ダンディにはナルシズムが不可欠です。
小さい動きでも張り切ってやる。ただし固くなりすぎてはいけない。
今後もストイックにダンディの道を突き進んでいきましょう。
2023年11月14日火曜日
【そよ風ペダル】通天閣やら、百貨店やら
11/14 14:00-1600 高槻城公演芸術文化劇場 中スタジオ3 担当:渡辺健一郎
いきなり寒くなりました。昨日の夜などはもう冬なんじゃないかと思ってしまうほどでした。
インフルエンザも流行中の様です、改めて体調管理に気をつけなば、と気をひきしめた次第です。
いつもの様に準備運動、発声練習を終えたのちに、前半一時間で脚本を読みました。
今日は新たに、ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」。
登場人物たちはみんなコテコテの大阪弁で喋りますが、俳優たちも心なしかノリノリでテンポよく読んでいる感じがあります。みんなが大阪弁の方が馴染み深いから、ということもあるでしょうが、それだけではない気がしました。大阪弁それ自体の持つリズム感、みたいなものがありそうだな、と。一つ一つのセリフのリズム、というだけでなく、「かけあい」にリズムを生むのに適した言葉なのかもしれません。
9人ほどが一堂に会しているシーンなので、賑やかにシーンが進みますが、一人の人物がハケると「空気」が一変します。この転換をいかに演出するか、ということも大きな問題になりました。一言一言のリズム、掛け合いのリズム、場面全体のリズムと、様々に意識することがありそうです。
最後の30分は、みんなで「百貨店」の思い出について語る会でした。
(どうやら次の公演は「百貨店」に関係する、らしい!)
百貨店といえば、昔はちょっと着飾って気合い入れていく、行くだけでちょっとワクワクするようなところだったけど今の百貨店は魅力がない、あんまり行かなくなった、といった様な話題が飛び交いました。
すごい。「百貨店」というテーマで話がまったく絶えない。みんないろんな思いを抱えているようでした。
派生して出てきた「アリバイ横丁」の話が一番面白かった。
2023年11月7日火曜日
【そよ風ペダル】戯曲の解釈はさまざま
11/7(火) 14:00-16:00
高槻城公園芸術文化劇場 中スタジオ2
担当:岡田
半袖でも過ごせるくらい暖かい日が続きますね。
来週からは平年の気温になるそうです。
さて、前回と比べて参加率も高いので、前回行ったシーンを再び読んでみます。
難しいシーンです。
あからさまではありませんが、お八重さんの感情の起伏の波があります。
台本に書かれていることの「隙間」を探し、演技で埋めていきましょう。
「なぜ笑ったのか」
「このセリフはどういう意図で言ったのか」
「どのタイミングで動くのが自然なのか」
台本を読み込み、文脈を解釈し、それをどのような演技として表現できるのか。
前回から継続して読んでいるシーンということもあり、台本を覚える労力を戯曲読解と演技のほうに向けて稽古をしてみます。
発表し終わった後、他のチームの発表を見てみて自分たちと違うと感じることを考えてみました。そうした気づきから、脚本の解釈を深めていきます。
脚本解釈に正解はありません。他の人が考える解釈を聞くと、他の可能性を考えることに繋がります。
どの戯曲を読むときでも、幅の広い解釈をしていけるとよいですね。
最後の10分間、しばらく続けた岸田國士『留守』を離れ、久しぶりに違う台本を読んでみました!
宮藤官九郎作品です。
冒頭1ページだけ読んでみました。
岸田國士と作風も言葉遣いも変わって新鮮ですね。
2023年10月31日火曜日
【そよ風ペダル】岸田國士『留守』
10/31 14:00-16:00
高槻城公園芸術文化劇場 中スタジオ3
担当:岡田
寒かったり、暑かったり。
気温が上下する、ある意味で秋らしい季節です。
ちなみに今日は少し暑い日でした。
シーンごとに進めてきた岸田國士『留守』もついに最後のシーンに辿り着きました。
33ページの頭から最後までを読みます。
いつもより覚えるセリフが長いですね。
本日の出席者は全員で7人。
3人チームを2つを作り、余った一人はそれぞれのチームに八百屋さん役として混じって参加します。
いつも通り、セリフを覚える時間を設けた後、
まずは台本を持ちながら上演してみます。
ずっと続けてきた『留守』の稽古で一貫して意識していた要点があります。
要点①:とりながら共演者同士でアイコンタクトを取る
要点②:大スタジオでやる想定で大きな声を出す
要点③:空間把握(観客に向けて演技をする意識を持つ)
今日のような稽古をしていながら、上記の要点にまつわる気になることが出てきたら(例えば、客席に背中を向けて話す瞬間があって違和感を覚える)、その違和感をひとつひとつ解決していくように心がけましょう(例えば、違うルートを歩くことで背中を向けなくて済む)。
そうした意識と行動を毎週の稽古で積み重ねると、本番や本番に向けた稽古のときにも活きてくるはずです。
さて、プロンプを用意して、台本を手離して発表してみます。
このシーンに長いセリフが無いこともあり、どのチームもテンポ良く会話が進んでいました。
セリフがないときの演技についても考えてみることが大切です。
セリフがないと不安になりますが、沈黙の時間であっても舞台上に人がいるだけで、間は埋まるものです。
考えるべきは、沈黙の時間を減らすことではなく、沈黙の時間をどのように過ごすかです。
筒井さんから指摘があった課題に向き合って、最後にもう一周発表して、今日の稽古を締めました。
2023年10月17日火曜日
【そよ風ペダル】劇的アイロニー
物語後半、3人目の登場人物が入ってきて、それぞれの人物の持っている情報量に差があることで、微妙な腹の探り合いや、しれっと想いの告白がなされたりします。
が、お互いにはそれを全て汲み取れているわけではない。
ただ、お客さんだけは全体の事情を次第にわかってくる。
(アイロニーは第一義には「皮肉」を意味するのではありません。)
2023年10月11日水曜日
【千年団】うしと見し世ぞ今は恋しき
10月10日 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 担当:渡辺
最近は「百人一首」をめぐって色々遊び、稽古をしているようです。
百人一首が、来夏上演する作品創作の中心的なテーマになる…のかもしれない、ということがチーフから仄めかされました。
仮題は、「千年団の百人一首」
…とかいう噂? 色々想像力が膨らむ響きです。
百人一首、20年ぶりくらいにやりましたが、面白いですね。
歌を暗記しているかどうかも重要ですが、「瞬発力」、「判断」、あるいは「駆け引き」など、ゲームを盛り上げる要素がたくさん盛り込まれている感じがします。
また単純にゲームをやると、みんな本気になってしまいますね。ついつい熱中しちゃう。楽しい。
また、百人一首を学校で子どもたちに広めるべきかどうか、といったことをめぐる話し合いという設定で、「ステータス」をやりました。
一ヶ月ほど前にも、ステータスをやっていましたが、以前に比べて進化がすごい。単純におしゃべりを見ているだけで面白い。
おそらくですが、自らのステータスを正しく表現する、という目的意識にとらわれすぎないのが肝要なのだと思います。ステータスはあくまで推進力になる一つのキッカケ、くらいに捉えるのが良いのだろう、と見ている限りでは思いました。
2023年9月19日火曜日
【そよ風ペダル】岸田國士『留守』を読む⑨
9/19(火)14:00〜16:00
富田ふれあい文化センター小ホール
まだまだ暑い日が続きます。
本日も富田で稽古です。
なんとエアコンが点かないというハプニングに見舞われました(途中から点くようになりました!)。
無理せず、ゆったりと進行しましょう。
ペアないしトリオに分かれ、岸田國士『留守』を読んでいきます。
・ペアが読むシーン
p.18 お八重さん「あたし、奥様に悪いから、お暇を頂こうかと思ふの。」〜p.20 お八重さん「そんなことしてる暇はないわ。」
・トリオが読むシーン
p.22 おしまさん「巻煙草は、お八重さん。」〜p.25 八百屋さん「云わないよ。」
少し練習した後、1回目の発表です。
最初は台本を読みながらでも大丈夫です。人前で発表するということ自体を慣れていくのが目的の一つです。
さて、もう少し各チーム稽古をして、2回目の発表です。
台本は持たずにやってみます。プロンプター制度あり。
ひとつ、本番の想定も入れて取り組んでみます。
次回公演の会場も、前回と同じ高槻城公園文化芸術劇場の大スタジオを予定しています。
その大スタジオでやっていると想定して、セリフを言ったり動いたりしてみます。
本番会場は大きいので、稽古中からその空間を意識して取り組むことで、上演の出来がグッとよくなるはずです。
フィードバックを受けて、最後に3回目の発表。脚本の理解や役柄の関係性なども、稽古の数を重ねるたびに、演技表現として現れてきています。
akakilike(アカキライク)さんの『家族写真』という作品がフランス・パリで上演され、そこに講師の筒井さんがキャストとして参加する関係で、来週と再来週の稽古はお休みです。
2023年9月12日火曜日
【そよ風ペダル】岸田國士『留守』を読む⑧「内幕」
9月12日 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター小ホール 担当:渡辺健一郎
朝晩はだいぶ涼しくなりました。
ので、私は高槻から30分弱かけて自転車で来てみました。
大きな川をこえるなどするので、結構坂があって大変ですが、風が大変気持ち良い。
片道30分程度の良い運動になります。
ただ、私の到着直後ににわか雨が降ってきたので、危なかった。
みなさんはだいぶ降られてしまったようですが(風邪にはご注意を!)。
本日も引き続き、『留守』です。
私も昨年『紙風船』をやりましたが、岸田國士の戯曲は噛めば噛むほど味がします。
一つ一つのセリフにいろんな意味、意義、意図、いろんな可能性を考えられます。
さり気なく「どう、もう一つおせんべい」と訊くのにも、なぜすすめるのか、なぜそのタイミングなのか、と考え始めると止まりません。
もちろん重大な意味が隠れているという訳ではありませんが、会話のほとんどすべてがさり気なさの連鎖で成立しているのだと思えば、なおざりにはできない。
大きな事件が起きるお話ではないので、むしろこの「さり気なさ」こそが主題となっていると言えるのかもしれません。
主人が家を空けているときに、密会する女中二人。こっそり髪を結うやりとりをしたり、こっそりおせんべいを食べてしまう二人。
何か秘密がある(のかもしれない)女中。
それをそれとなく聞き出そうとするもう一人の女中。
多くが「表立って」は行われていない、という感じがあります。そしてそれが表面化してくる瞬間が面白かったりします。
このお話に限らず、人間関係って大部分がこうして「さり気なく」行われているのかもしれません。
相手の腹のうちを探ったりする、それをストレートに表現して実行する人もいますが、大抵の場合はさり気なく行われる。しかしこのさり気なさにも程度があって、及び腰なのか、積極的なのか、といった違いもどうやらある…
さらに、このさり気なさをお客さんに伝えなければならないという大変さ!
ひとまずリーダーから「二人の女中がおおまかにどういうキャラクターなのか意識してください」と指示がなされ、見せ方にメリハリが出た様に思います。他にはどんなアプローチがあるのだろうか… 難しい、楽しい。