2019年1月30日水曜日

即興劇の感覚

1月29日 そよ風ペダル 担当:飯坂

今日もまずはいつものストレッチから。
今日は最後の声合わせがなかなかういまくいきませんでした。
周りに合わせようという気持ちを持ちつつ、声を発するときは一歩ひかずに自信を持って堂々と発する、というところが難しかったようです。
何回かチャレンジして、最後は綺麗にそろいました。

そのあとは今後の活動について少し話し合いました。
来年の本番までに、何かピリッと刺激のあることをしたいねということで、ただいま画策中です。

そのあとは引き続き岸田國士の脚本をやります。
筒井さんが配役を指定して、読み合わせます。
話し合いなどもしてたので、読んだだけで時間が経ってしまいました。

この脚本のおもしろさでもあり難しさでもあるところは、やはり「即興劇をやっている演技」をしなければならないところです。
脚本に書いてあることをただ読むのではなく、そこで生まれたものが後々の情報になっていく感じ、相手が言ったことをその場で背負って次に行く感じを体現できるかどうかが大切です。

そしてたとえば「桜田本郷町に住んでいます」という情報が出たとき、そのあと「桜田本郷町」という単語を連発したくなるおもしろさ、
「夫の職業」なんて本当はサッといえるのに、考えてしまうところ、夫の職業を思いついたときに、ちょっと嬉しそうに言ってしまうこと、などなど
即興劇ならではの感覚を表せるかどうかが大切です。

次回は一度実際に即興劇をやってみて、その感覚を持って脚本を読んでみるかもしれません。
どんなふうに変わるのか、とても楽しみです!

2019年1月29日火曜日

トレースと質問事項。


129日 小原クラス 担当:梶川
準備運動と発声に加えて、三色鬼ごっことペットボトル倒しのゲームをおこないました。
詳しいルールはさておき、とても盛り上がりました。
本稽古はインタビューからのトレースです。
今日のテーマは健康で気を付けていること。
健康には体のことも心のこともあるわけですが。
二回目ということで、みなさんにも何をどうするかという予備知識があるので、スムーズにワークが進んでいきます。
前回は座って向かい合っていましたが、今回は語り手が立って話します。
インタビュー内容をメモしながら語り口をトレースしつつ、相手の立ち姿や動きもトレースしたいわけですが。
メモ書きで下を向くのでなかなか相手の姿を確認することができません。
でもトレースする要素を増やしてやろうという気概からか、前回よりもトレースできているかということは越えて、見ていてとても興味深い表現になりました。
相手になろうと演じるわけですが、その中でも抜け落ちないその人の持っている特徴が逆に浮き彫りになってきたり。
演じ手と演じられ手の共通点や違うところが見えてきたり。
いろいろなペアでやってみると、たくさんの発見があるように思います。
このトレースの発表を小原さんは録画されています。
つまりはこのトレースからの一人語りが次回公演の脚本の下敷きになるとのこと。
脚本の要素をさぐるということで、では質問のアイデアがありますかと小原さんから。
この質問が作品の本質につながっていくような気もしつつ、出てきたアイデアも興味深いです。
さて、どんな作品ができあがるのか、とても楽しみです。

男と女。


129日 恍惚一座 担当:梶川
一週お休みを挟んで、これからの稽古スケジュールが配布されました。
5月末まで稽古をして、最後には関係者を招いての簡単な練習発表会をしようということになりました。
しかし、脚本の男女比が全く違うわけで。
作品が男性5人で女性2人。
役者は女性5人に男性1人。
はい、男女を逆にして演じます。
演技としての複雑さが増します。
今のところは、ただ男女比がそうだからという理由での配役ですが、稽古を重ねるなかで性を逆転していることに意味が出てきそうな予感がしています。
練習発表するには少し長すぎるわけで。
宿題として一部シーンをなしにしてお話を続けられないかを読み込むことに。
来週の稽古で短縮版の脚本を発表できればと思います。

2019年1月25日金曜日

岸田國士の脚本に取り組んでいく

2019年1月8日 そよ風ペダル 担当:丸木

新年最初の稽古日であったこの日も、まずは体を起こすストレッチから。
暖房が効いてあたたかくなっていた部屋の空気を入れ替えつつ、ゆっくり体を起こしました。

稽古に入る前に、筒井さんがご自身の演出の宣伝を少し。
1月末から2月頭にかけて大阪でされるそう。
扱うのは辻潤さんの「ふもれすく」他。
彼は大杉栄、伊藤野枝と同時代の人で、伊藤野枝との間には子供もいたそう。
恋愛に関するリーディングと題し、上演後には恋愛に関するディスカッションもされるとのこと。

その後、前回同様、岸田國士の「職業(教訓劇)」を読み合わせ。
この台本は、青空文庫としてネットに脚本の全文が公開されています。
しばらくは、この台本を練習しようかということで、徐々にキャスティングも固定しようかなというお話も。

台本の中には様々な演じることへの指示があって、そういった指示されているところは意識するが、指示されていない箇所を指示がされていないのだという意識をもって指示されている箇所との差別化をするのも大切だというお話がありました。

2019年1月24日木曜日

役者のわたしと脚本の中の役者とその演じている役柄と、さらに時代の隔たりと。

1月23日 そよ風ペダル 担当:梶川

筒井さんがインフルエンザに罹られたということで、今日は急きょ梶川が講座を代講しました。
ゆっくりと体の中心軸を感じながら体操をして、二人組になった体重をかけあって座ったり立ったりをしてアップをします。
体が温まったところで、声を出します。
声の方向性のことから始めようかと思いましたが、話しているうちに声を届けるということをすることになりました。
声の方向(フォーカス)については四つあって自分に向けて、相手役に向けて、客席に向けて、劇場も越えた遠くに向けてです。
向けるとしてそれが本当に届いているかを知るために声あてをします。
目の前に数人が背中向けで立っていますが、その中の誰かを決めてあいさつや問いかけで声をかけていきます。
背中を向けている人は自分だと思えば手をあげます。
比較的みなさんうまくいきました。
舞台経験があるので、知らず知らずのうちにすでに備わった能力でした。
次は何をしようかと悩みつつ、とりあえず筒井さんが稽古している岸田國士の「職業」を配役を決めて読み合わせることにしました。
とても興味深い作品です。
読み合わせのあとは、私がこの作品に対して何が面白いと感じているかの話をしました。
とある劇団の役者たちが新劇の演技を揶揄するやりとりから始まり、稽古課題として即興の練習を始めます。
この新劇の演技と即興の演技という対比に岸田國士の考えが表れているように感じます。
つまりは脚本の書かれた時代背景に興味がわきます。
そして脚本に台詞として書かれている即興を演じるという構造の面白さ。
「職業」を演じている役者がいて、「職業」の役柄としての役者がいて、さらにその役者が即興で演じている役柄があって。
即興なので「職業」の役柄の役者がついつい素で反応した部分と即興の中のから生まれた役柄として演じている部分があります。
しかも即興をすべてわかったうえで演じるという課題があり。
とするなら、役柄の役者のつい出てしまった反応をどう演じるかという難しがあります。
また演じている役者の問題として、脚本が書かれた当時であれば馴染みのある会話が時代を経たことによって非日常的な言葉回しになっているということ。
冒頭の新劇を揶揄して、新劇の演技を誇張して演じることにより、日常的な会話と対比して見せるのですが、その日常的会話も時代の違いにより非日常的に感じられ、新劇の演技との対比を出すのが難しい。
これらの難しさをどうやって解決していくのか、そこに演技の面白さがあると感じました。
現段階の読み合わせは時代がかった台詞回しになれることと、筋を追うことに重点が置かれているように感じました。
提案として、役柄としての役者がつい反応してしまっている部分と即興の役柄になりきれている部分を考えて読んでみてはと。
時代がかったセリフで明らかに演じているということを前提としながらも、それが生の反応なのだとわかるということ。
これはちょっとした奇跡のように感じます。
つまり、人と人のやり取りの中に想像性が生まれている証拠でしょう。
少しハードルは高いですが、そよ風に向いているとてもやりがいのある作品です。
どんなふうに創作されていくのか、とても楽しみです。





2019年1月23日水曜日

日常の身体をトレースする。

2019年1月22日 小原クラス 担当:飯坂

今日もまずはストレッチから始まります。軽くおしゃべりをしながら、楽しい雰囲気です。
ジップザップもやります。自分にまわってきてから誰に回すか考えるのではなく、「自分にきたらあの人に回そう」とあらかじめ決めておくと、早くまわしていけます。

それから、早口言葉と発声です。
一人ずつ早口言葉をいうところでは、うまく言えた人には拍手が起こりました。
次回は「この竹垣に竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけたのです」です。果たして言えるでしょうか。




さて、後半のワークに入ります。

前回は言葉のトレースを行いましたが、今日は身体のトレースです。
これからこの二つと戯曲という三本柱のワークを順番にやっていく予定だそうです。

ラジオ体操をテーマにしたいというところから、みなさんが普段やっている身体のほぐし方をそれぞれひとつ決めて、それを全員で真似してみます。
身体をひねったり、伸ばしたり、ジャンプしたり、足の指を動かしたりと、様々です。



次に、朝起きてからの動きをやってみます。二人組で、まずは最初の人がやり、見ている人は最初の人の動きを覚えます。
ここで大切なことは、嘘をつかないこと、説明的にならないこと。
極力「本当」の動きを再現してみます。
布団の中で目が覚めてから、起き上がるまで。布団から出て、その次の行動へ。


次は見ていた人が、相手の動きを真似します。
それをお互いにやってみました。後半は、独り言を普段言う人は、言ってもいいという指示もありました。

そこで、小原さんが先ほどやった体操の動きを指示します。例えば「ジャンプ」と言われたら、みんなそれまでの動きを止めて、ジャンプします。そしてまた動きに戻ります。




「本当の動きをやってみる」というのはとても難しいです。
相手の動きならなおさらですね。
例えば、布団から身体は起こしたものの、なかなか布団から出れずにボーーーッとしている人もいました。
それを真似する方は省略してしまいがちですが、なるべくそこも再現してみます。
動かない、という動きをやります。その動かない時間の中にある情報をキャッチして、表してみましょう。

このような日常の動きも共有していくそうです。
お互いのことをいろんな面から深く知ることができそうです。



2019年1月16日水曜日

トレースから生まれるもの。

2019年1月15日 小原クラス 担当:梶川

柔軟体操と言葉回しのゲームをして、発声練習。
そうです、先週から発声練習を始めています。
演劇部のような発声と早口を。
なんであれ、声を出すのは気持ちよく元気になります。
今日は演技の始まりを体験します。
二人が縦列に並んで歩いて、後ろの人が前の人の歩き方を観察してトレースしていく。
きれいな歩い方をしたいわけではありません。
その人なりの歩き方の特徴をまずは知りたい。
トレースできたら小原さんの合図で前の人が抜けて、トレースされた歩きが舞台に残ります。
自分ではない者になるということが演技の始まりに繋がります。
トレースして歩いている方に小原さんから、どんな気持ちか、どこに向かっているのかなどの質問がされます。
まずは真似るということや歩くということが先にあるのが重要な気がします。
感情が先か動きが先か。
そんなことを考えます。
感情は目に見えないので。
見えることから始めることがいいのではないかと。

相手をトレースする体験を深めるワークを引き続き。
先ほどのペアで向かい合って座ります。
順番に私が自慢できることについて、インタビューをします。
その時、相手のしゃべったことをしゃべった通りにメモします。
内容ではなく、どうしゃべったかが重要です。
「ええっと」と言ったなら、それをそのままメモします。
考える間があったならそれも。
どんな体勢で座っていたか。
話すテンポや声の高さや大きさは。
できればそんなことにも注意を向けます。
インタビューのメモから、自分の質問を省くと相手がしゃべった独白のセリフができあがります。
つまりは演じるべき脚本ができあがります。
相手のキャラクターを演じつつ、それでも演じ手の人となりも滲み出ていて、とても興味深いパフォーマンスでした。




2019年1月15日火曜日

読み合わせてみる。

2019年1月15日 恍惚一座 担当:梶川

脚本稽古、二週目。
先週は脚本が途中までしか印刷されていませんでしたが、今週は最後まで配布されました。
というわけで今週は最初から最後まで読み合わせは。
早めに終わるかと思いきや、あっという間に稽古時間の二時間が過ぎてしまいました。
なので今週の稽古内容は脚本の読み合わせ以上、という感じです。
さておき、稽古としてはこの軽妙な会話をどうやって演じるかです。
来週からは最初のシーンから稽古していきます。





2019年1月8日火曜日

アイドルになる。

1月8日 小原クラス 担当:梶川

準備運動からジップザップは恒例になりまして、今日は人間知恵の輪などの他のワークも。
二人で三人でと人数を増やし、最後は全員で円陣に隣同士で手をつないで。
発展して隣同士から色んな人と手をつなぐということになりますが、きっとそれは改めて。
まずは成功体験です。

今日はアイドルになることと男女の空気の追求です。
みんなの前で年末年始をどう過ごしたかを喋ります。
聞いている側は心の中で4拍数えます。
話し手と視線があったら数がリセット。
リセットされなければ話し手の名前を呼びながら手を振る。
手を振っても、話し手が視線があえば再度リセットして最初から4拍。
客席全体を話し手が意識する。
場の支配ということですね。
名前を呼ばれて手を振られるというのが、まるでアイドルのようです。
呼ばれることにどう対応するかと、自分の話をすこと。
そのさじ加減が人それぞれで興味深いです。
そして男女の空気感について考察します。
年末の親睦会にて、劇団員の方から小原さんに質問があったようで。
曰く、役者の色気はどうやったらつくか。
明確な答えが見つからなかったということで、稽古の中で探すことになりました。
設定は喫茶店、お客さんと給仕の役回りで注文だけのセリフのやり取りで、お客さんが給仕を口説けるかどうか。
口説けないとしてもそのような男女の関係の雰囲気が出せるか。
男女の関係はさておき、絞られた空気感というか集中した緊張感のあるシーンが作られました。
舞台の原型を見た気がします。





会話劇に挑戦。

1月8日 恍惚一座 担当:梶川

松山公演を終え、12月中はお休みで新年あけての再始動です。
いつもなら前回公演の感想のシェアなどから始まるところですが、もはややりきったという感じなので。
心機一転、脚本稽古がはじまりました。
課題脚本は会話劇を主体にしたコメディ作品です。
会話で笑いを誘うには。
これを課題にしてシーンスタディーを進めていきます。