9/13 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター大ホール 担当:渡辺
二ヶ月前の稽古場ブログでも書きましたが、今回の芝居は劇中劇があったり、さまざまな「メタ演技」が必要だったりします。これを演じ分けないと、観客になかなか伝わらない。分からない。
例えば。人の言葉を引用する時と、それについてコメントするときでは、語り口を変える必要があります。
日常で
「Aさんが『どうせ騙されてるって気づかないんだから』って言ってた。ひどくない?」
などといった発話があります。
Aさんが酷い人だと感じているなら、Aさんが言ったとされる言葉を再現するときには、ちょっと嫌味な感じで発話したりすると思います。
上の台詞は単純な「引用」ですが、話が混み入ってくると、聞いてる側は「それは今誰の言葉?あなた?Aさん?」などと分かりづらくなったりします。
日常会話に祭しては分からなくなったら聞き返せば良いので、あまり問題にはなりませんが、演劇の場合ははっきり区別して演じ分けなければなりません。
演劇ではまた、誰に向けて喋っているのか、ということも問題になります。
これは日常会話ではほとんどあり得ませんが、独白や傍白(観客にだけ情報を提示する)と会話(舞台上の相手とコミュニケーションをする)とが入り乱れた発話をしなければならないことがある。
この切り替えも明瞭にやらねばなりません。
演技のスタイルを瞬時に変えなければならないので、大変高度なことです。
ただ、今回の芝居はこういう演じ分けをちゃんとやらないと伝わらない。
話の構造自体は決して難しくないのですが、演技の技量は求められます。
俳優は大変そうですが、多少難しい方がやりがいがあって良いはず!