ワークショップ三回目、まずは体操をを丁寧に。
基本姿勢から始まります。肩幅に足を開きつむじから上に糸が出ていて背骨が引っ張られる意識を持って立つ。
引っ張られていることを意識しすぎて胸を反らせすぎないように注意して地面から天井へまっすぐ立つ。
この基本姿勢をスタート地点にして、各種体操をしていきます。 まずは腰を前後左右にゆるめてきます。
筒井さんの体操は筋を伸ばすことが目的ではなく、力を抜いて緩めていくことが目的になります。
それゆえ例えば、前屈で床に無理して手をつける必要はなく それよりも力をぬくために呼吸を止めないで、緩んでいる体を感じることが大切になってきます。
腰の次に肋骨を緩めていきます。
体操をする時に肋骨、つまりは胸の部分の運動というのは見落としがちではないでしょうか。
しかし声を出すということにおいて、肺や横隔膜は肋骨に深い関係があるので胸の部分の運動はとても大事です。
肋骨の運動を3パターン。
肋骨を一つの四角い箱だとイメージして、上の肩のラインと下の横隔膜のライン平行に左右にずらし肋骨の側面のジャバラの部分を広げる運動。
指→手首→肘→肩と順番に回していき、肩を回すのと連動させて肋骨を前後に動かす運動。
手を体の前で交差して手を握り、前に伸びていき、肋骨の左右をたたんでいくイメージで緩めていく運動。
次に股関節を緩める運動です。
緩める方の足をまっすぐ伸ばし骨盤と大腿骨の間にボールがあるイメージで骨盤をまわして間のボールを転がしていき股関節を緩める運動。
最後に下半身を45度ねじって屈伸をし、基本姿勢から天井に向かって体を伸ばして終わりました。
言葉で説明するとわかりにくい部分もありますが、実際自分の体の状態を感じながら運動の感覚をつかんでいくことが重要なようです。
次にストレッチとコミュニケーションを併せ持った質疑応答の二人組のストレッチ。
3回目ともなると皆さんの雰囲気もだんだんと打ち解けてきたように感じます。
体がしっかりあたたまったところで発声です。
まずは基本姿勢で立ち、視線を少し高めに固定して顎をあげすぎないように注意しつつハミング。
喉があたたまったところで、二人組で向かいあい、声を届かせるワークにうつります。
最初は2~3mの普通の距離で向かい合い互いにあいさつします。
あいさつをする度に一歩ずつ下がり距離をとっていき、その距離であいさつを届けます。
壁際まできたら実際いる場所からさらに5m後ろに相手がいるとイメージしてあいさつ。
次は100m後ろに相手がいるとイメージしてあいさつを。
そのあとまた、あいさつしながら一歩ずつ前に進んで近づいていきます。
狙いとしては相手との距離を感じながら声を届けることにあるのでしょうが、
あいさつをするテンポ、リズムに自然と全体としての一体感が生まれてきたように見えて面白く感じました。
最後に普通の距離まで戻ってきたら、その距離で100m向うに相手がいるとイメージしてあいさつをしました。
舞台上では、実際の相手との距離を感じながら客席にも声を届ける必要があります。
その意味で実際の距離とイメージの距離を使い分け、調整・コントロールするワークが重要になってきます。
前回のワークでは二人組のポーズを作りましたが、 今回は発展して3~4人のチームでポーズをとって一つのテーマをつくります。
ルールは前回同様しゃべらずアイコンタクトで周りの動きを感じること。
今回は人数が増えたので、ポーズになるまでの動きをスローにして相手に伝えつつ感じるというワークになります。
またテーマが出されてから動き出しの合図が出るまでに考える時間が与えられます。
チームを3つにわけて、とんかつ定食・自転車・掃除機・腕時計・ラジカセ・仏壇とテーマが出されていきます。
できあがったポーズもさることながら、スローの動きもなかなか面白いものがありました。
ここで短い休憩をとり前回やった会話のワークの発展形です。
まず、会話を拾ってきた人は演じてもらう人に会話の内容を伝えずにセリフだけを伝えて、覚えてもらうため少し練習します。
セリフがある程度入ったところで発表です。
発表はまず会話を拾ってきた人がまず前の出て状況や時間や場所や関係性を説明します。
つまり演じる人はそこではじめてシーンの設定に出会い演じ始める状況になります。
事前の準備をわざと不足させることにより、演技に即興的な部分が生まれるように感じました。
発表が進むにつれ説明の部分で詳しくディテールを伝える必要や関係性を伝えるために演技を考える必要があるのではないかといった意見が出てきました。
ワークを終え最後に筒井さんからこれからのワークショップの予定が語られました。
今やっている会話のワークを続けていき、最終的にパーツをつなげてのパフォーマンスを作っていこうということです。
そのために次回からは演出的なことも発表の際に加えながら進めていかれるそうです。
具体的にはまず、今の発表では声が目の前にいる相手までの距離で届けられているが 観ている人にまで届く声にしていきたいとのことでした。
ワークショップのイントロダクションを終え、次回から最後に向けてパフォーマンスのことをふまえながら進んでいくようです。
最終的にワークショップを通してどのように皆さんが変わっていくのか、今から楽しみです。