11月25日 恍惚一座
前回やったゲームを引き続きおこないました。
椅子取りゲームは前回なんだか上手くいかなかった印象でしたが。
鬼をやるにもコツがいるんじゃないかと。
ワークとしてやっているので、実は椅子をとることが目的ではないかもしれません。
うまくいき始めると、鬼の動きをきっかけにして周りが動き始めます。
まるで鬼が周りを操っているような感覚が得られて、ちょっとした全能感をです。
周りの人の意識のメインは実は鬼に注がれていて、周辺視野というか、皮膚感覚というかでぼんやりと他の周りの動きや状況の変化を捉えると上手くいくような。
頭では鬼に集中して、体で周りの状況を感じる。
意識と無意識というか、メインとサブというか呼び方は何でも良いのですが、ながら作業と言ったりマルチタスクと言ったりもしますが、同時にいろんな集中をできるようになること鍛えることができそうです。
脚本稽古が始まります。
今日は山口さんが指定した1ページを配役を決めて読み合わせをするところから。
そのページでの役柄の目的を話し合っていきます。
全員で目的や状況を確認したところでもう一度読み合わせを。
山口さん曰く、さっきの読み合わせと劇的に変わったりしないですよねと。
目的や状況から感情を想像して読み合わせをしてしまうと、思い入れたっぷりで日常会話からは乖離していきやり取りのテンポが悪くなります。
このあとテクニックとしてやり取りにテンポをつける為に相手のセリフの語尾にかぶせてしゃべるということをしました。
感情を込めず機械的にしたほうが、実は聞いている方はお話の内実を捉えやすいです。
そして本を読んでこんな感じで声を出せば良いだろうなというのとは、敢えて違う声の出し方をしてみる。
これも機械的なことに含まれると思うのですが、声を音と捉えて音量、高低、音質、前述のテンポを変えてみる。
そうすると予期しなかった発見があったりします。
例えば言い争っている状況を敢えて楽しげな声を出してみると、体面を繕っているように聞こえて逆に腹の底では本気で怒っているように聞こえてシーンが一層際立つ。
役柄の目的や置かれている状況、そこから導かれる感情みたいなものは、ではどこで表せばいいのでしょうか。
山口さんはアクションであると。
公演稽古において、立ち位置についての演出がよくなされます。
相手役との距離というのもひとつのアクションです。
近づいたり遠のいたりすることで見えることがあります。
動いたり止まったり、視線を使ったり呼吸を使ったり。
演技を決めるときに、まずは一般に段取りというものを決めていきます。
どのタイミングでどう動いてどこで止まってどんな体勢で誰にどんな声で話すかなどなど。
実は段取りを決めることの意味は、その動きをすることではなくて、そこから役柄の目的を明確にしていくことかもしれません。
そう動くことによって初めて役柄のことがわかってくる。
その目的さえ掴んでしまえば他の動きでも良いのかもしれません。
今日の稽古はちょっと難しい話になりましたが、演技においてとても大事なことです。
今月はこんな感じで稽古が進んでいきます。
だんだんと掴んでいければと思います。