2024/1/30 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺
「戯曲」というとふつう、喋るべきセリフの全てが書かれたもの、と思われるかもしれませんが、
しかし「戯曲にどこまで書いてあるか(書いていないか)」は、時代や地域、書き手によって大きく異なります。
例えばト書きに、「男1、何かをぶつくさ言いながら退場」などと書かれていた場合。
やるべきことは決まっていますが、何を言うかはもちろん俳優や演出家の手に委ねられている。
もっと大雑把な指示が与えられる場合もあるでしょう。「二人はしばらくの間口論する」とか。
「やるべきことは決められているけど、どのようにやるかはある程度プレイヤー次第」という意味では、ふつうにセリフの書かれた戯曲でも同じことです。
言うべきセリフはあっても、どの様な間で、音量で、イントネーションで、リズムで読むのかは定められていない。
全ての戯曲は俳優たちの動きを「ある程度」指示しますが、その「ある程度」の範囲をどうするか、ということについてはそれぞれの戯曲によって大きく異なるわけです。
一言一句セリフを決めるのか、「間を0.5秒空ける」みたいなことまで細かく指示するのか、大雑把なストーリーだけ設定されていてほとんど即興でやらなければいけないのか。などなど。
今練習しているのは前回に引き続き、「セリフは一応決まっているけど、大筋さえ外さなければ厳密に従わなくて良い」というシーンです。
これがなかなか絶妙、巧妙な仕掛けで、みんな漠然と覚えたセリフを、なんとか思い出しながら、互いに「次はあなたのターン(セリフを言う番)ですよ」と促したりしながら、半分即興のように作られていきます。舞台上での悪戦苦闘(あるいは自覚的なすっとぼけ)が大変面白い。今回も大いに笑ってしまいました。