2016年3月15日火曜日

主観、客観、絶対、相対。

3月15日 そよ風ペダル 担当:梶川

シーン稽古が進んでいます。

前回作品はコントということで、おかしなキャラクターや非日常の設定で演技を作っていきました。

今回の作品は日常レベルのキャラクターや会話のやりとりで作られています。

モロモロウロウロもキャラクターとしては日常レベルですが、その日常の中に非日常が侵食してきたような作品でした。

そしてそのキャラクターを演じる上ではその演じ手の持ち味や魅力によって創作せれていました。

それに対して今回は先に日常レベルのキャラクターが独立してあり、それに対してアプローチしていくことになります。

これまでの演技のアプローチを今回は変えないといけないということです。

ではどう変えていくのか。

おそらくはより分析が必要になるのだと思います。

これまで自分の持ち味で演技するということは、勝手に溢れてくる魅力そのまま舞台にのせることが求められました。

どこまでも主観的に演じることが求められていたのかもしれません。

それに対して今回は客観的に演技を作っていくことになります。

客観的であるとしてその視線は、どこに向かっていくのか。

実はそれはキャラクターに対してではなく、自分自身に向けられていくことになるように思います。

キャラクターという別のものに近づこうとしても、演じるのは自分自身でしかなく、この心と体を使うしかありません。

だとするならばキャラクターをいくら想像したところで、それが他人であり続ける限りは演じることはできませんし、自ずとまずは自分が何者で何ができるのかをさぐっていくことから始めざる得なくなります。

それはキャラクターを絶対的なものから相対的なものに置き換え自分と関係して何が一緒で何が違うのかを一つ一つ検証していくことになるのでしょう。

ここ最近の稽古で声の演技の下地作りとして行っている抑制してセリフを扱うことも、つまりは自分が何を話しているのかを冷静に分析していくためなのではないでしょうか。

今日の稽古では抑制したセリフ回しの中でテンポだけ速くするということをおこないました。

こうやってテンポを変えることによって何が変わるのか、それを分析して得られることが自分を探るヒントでありキャラクターを相対化することにつながります。

自分を見つめながらの作品作りを目指しましょう。