2024年10月22日火曜日

【千年団】マイズナーテクニックを発展させていく

 2024年10月22日(火)15-17時

富田ふれあい文化センター研修室

担当:岡田


秋らしい季節になりました。

寒暖の変化が激しいので体調管理には気をつけたいですね。


今日は以前から行っている「マイズナーテクニック」を2人ペアでやってみました。


まずは普通に、感じたことを淡々と伝え合います。


A「あなたは猫の服を着ている」

B「私は猫の服を着ている」

B「あなたは首を傾げている」

A「私は首を傾げている」

↓(以下、続く)


今日はそれをすこし捻ってみます。

今度は同じセリフを言い合っていきます。


例えば、

A「あなたは私にお金を貸します」

B「あなたは私にお金を貸します」

A「あなたは私にお金を貸します」

B「あなたは私にお金を貸します」


同じセリフを言い合いながら、そのセリフの応答の雰囲気に言い方を合わせていきます。

例にあげたような「あなたは私にお金を貸します」の場合、例えばどんどんと語気を強めていきます。


言い方の変化だけでは対応できない雰囲気なったときにはじめて、別のセリフを出します。


この稽古を行うことで、台本ありきの稽古にも良い効果を生みます。

日常生活では、会話のやりとりの中で何か感じ取ったからこそ次の言葉が出てきます。

台本があると、ついつい台本に書かれているからただ発話してしまいがちです。

つまり、この稽古ではセリフを言う必然性を実感することがポイントです。


毎週の稽古で続けながら俳優の技術を磨いていきましょう。





さて、台本を使った稽古に移ります。

3人チームに分かれて、登場人物が3人の台本をチームで練習し、最後には発表します。


同じ台本でもチームによって全然違うのが面白いですね。

2024年10月15日火曜日

【そよ風ペダル】見立てて立つ

 2024/10/15()14-16

富田ふれあい文化センター 小ホール

担当:岡田


今日も台本を使った稽古を中心に行いました。


3名が登場する短いシーンを、チームを替えて何度も発表してみます。


気をつけるべきポイントは「立ち位置」です。

演劇は最終的には観客の前で発表するものなので、練習のときから観客の目線を意識しておくことが大切です。


たとえば今日練習したシーンでは、登場人物3人は、2人と1人で対立します。

味方同士の2人の位置が近かったり、2人ともが対立相手に体を向けていると、観客としても「21の構図」であることが伝わりやすくなります。

たった1歩程度の動きの違いなのですが、大きな効果が生まれます。






「立ち位置」を考える上でもう一つ重要な視点があります。

そのために、テレビや映画といった映像メディアと比較して演劇の特徴を考えてみましょう。


例えば「部屋の外に出る」というシーンを作りたいとして、映像メディアの場合は、部屋の外に出た後にカメラが切り替えることで外に出たことを示すことができます。つまり、カメラの数を増やしたりカメラの場所を移動すれば、視点を増やせるということです。


一方で演劇の場合、視点(=観客)はずっと固定しています。舞台上の広さにも制限があります。本当の部屋があるわけではありません。

そうしたたくさんの制約があるなかで立ち位置を考えるのには「見立てる」工夫が必要です。


今日の稽古では、イスを2つ置くだけで部屋と見立てました。舞台の右側から出入りすると、その部屋を出入りすることと見立てました。なので、舞台中央から右側に行けば部屋から出ることになります。

そうした「見立て」を観客にも共有してもらえたときに、観客の目からも「部屋から外に出る」ことが伝わります。


人間の想像力を利用して話を作っていけるのが演劇の醍醐味ですね。




2024年10月9日水曜日

【そよ風ペダル】メディアミックス

 10/8 14:00-16:00 高槻城公園芸術文化劇場 中スタジオ3 担当:渡辺


長い夏がようやく終わりをむかえそう。今日は涼しかった!肌寒いくらい。


最近はテレビドラマ(サスペンス風味)を文字起こししたものを演じてみています。

ドラマと演劇の演じ方はやっぱり違いますし、サスペンスものの場合はさらに演技が特殊…な感じがあります。

説明セリフ多めの独特の言い回し、やや過剰とも思える間の使い方、など。

過剰という意味でいえば演劇もいろんな意味で過剰になる場合が多いですが、過剰の意味合いが少し違う感じがありますね。

テレビと演劇の違いなどはよく話題にされることで、違いは無数にあるのですが、前にテレビドラマをみていて思ったのは、「完全な無音」を演出できるんだなということ。演劇ではどうしても、黙っていても服や足音、息遣いなど、完全な無音は作れませんが、映像ならその限りではない。サスペンスだと効果的に使われることもしばしばある気がします。


ドラマ仕立ての演技をそのまま舞台に乗せるのも面白そうですし、演劇風にアレンジしつつやってみるのも面白い。

異なる媒体の作品を演じなおすことの趣き、その片鱗を少し感じることができたような気がします。

2024年10月2日水曜日

【そよ風ペダル】言葉の表裏

10/1 14:00-16:00 城内公民館 中スタジオ3 担当:渡辺

結構親しくしていた人と久しぶりに会うとき、微妙な空気が流れる場合があります。
お互いが楽しく、嬉しい気持ちで再会できるなら良いんですが、
喧嘩別れとか、自然消滅とか、多少ともネガティブな別れ方をしている場合には要一考。
近いことが、先日ありました。
ふつうに道を歩いていたら、向こうから「かなりお世話になってたけど少し苦手で、最後にこちらが若干の不義理をして、連絡をとらなく(とれなく)なった」人がやってきました。
相手もこちらをどう思っているのか分からないので、どういうテンションで接して良いのか分からない。
このままいくとすれ違う。気づかないフリをすることもできるけど、それも居心地が悪い……。
ひとまず「ご無沙汰してます!」と声をかけました。
すると向こうは微笑んで「お急ぎ?」と返してきました。
「そうなんです…、また!」と言って別れました。
「お急ぎ?」は相手を不快にすることなく出方をうかがう、かなり優れた声かけだなと思いました。
言われた側も、特に対立をうむことなく別れることもできるし、じっくり話しをする選択もできる。
こういった人と人との内面の微妙なズレと、それを解消したり(ときにはわざと摩擦を大きくしたり)する言葉の機微の面白さ。
上のエピソードは、繊細すぎて演劇にするのはなかなか難しいですが、しかし目線や表情、ちょっとした仕草などで表現できなくもない。
こういった機微に取り組んだり、ときには繊細さを放棄してわざと「芝居がかった」演技をしてみたり。
実は今回のその風ペダル、そういう(またもや!)難儀する、「演技を演じる」演劇に向かっているのではないかという空気を読み取ったのですが、果たしてどうか。
やいのやいのと書きましたが、単純に稽古が楽しい。
たくさん笑いました。