2024/10/15(火)14-16時
富田ふれあい文化センター 小ホール
担当:岡田
今日も台本を使った稽古を中心に行いました。
3名が登場する短いシーンを、チームを替えて何度も発表してみます。
気をつけるべきポイントは「立ち位置」です。
演劇は最終的には観客の前で発表するものなので、練習のときから観客の目線を意識しておくことが大切です。
たとえば今日練習したシーンでは、登場人物3人は、2人と1人で対立します。
味方同士の2人の位置が近かったり、2人ともが対立相手に体を向けていると、観客としても「2対1の構図」であることが伝わりやすくなります。
たった1歩程度の動きの違いなのですが、大きな効果が生まれます。
「立ち位置」を考える上でもう一つ重要な視点があります。
そのために、テレビや映画といった映像メディアと比較して演劇の特徴を考えてみましょう。
例えば「部屋の外に出る」というシーンを作りたいとして、映像メディアの場合は、部屋の外に出た後にカメラが切り替えることで外に出たことを示すことができます。つまり、カメラの数を増やしたりカメラの場所を移動すれば、視点を増やせるということです。
一方で演劇の場合、視点(=観客)はずっと固定しています。舞台上の広さにも制限があります。本当の部屋があるわけではありません。
そうしたたくさんの制約があるなかで立ち位置を考えるのには「見立てる」工夫が必要です。
今日の稽古では、イスを2つ置くだけで部屋と見立てました。舞台の右側から出入りすると、その部屋を出入りすることと見立てました。なので、舞台中央から右側に行けば部屋から出ることになります。
そうした「見立て」を観客にも共有してもらえたときに、観客の目からも「部屋から外に出る」ことが伝わります。
人間の想像力を利用して話を作っていけるのが演劇の醍醐味ですね。