8月25日 千年団 担当:梶川
脚本の新しいページが配られました。
まだこのシーンはどこで会話をしているかが決まっていません。
書いているときはどこかの喫茶店というぼんやりしたイメージだったとのこと。
決まらない事を逆手にとって、それぞれのペアで場所を決めて演じてみましょうという課題で読み合わせから立ち稽古をしていきました。
前回もこの課題は行われていて、病院の屋上や釣り堀というのが出てきたとのこと。
演じ手が場所を決めることによって、脚本家が意図しなかった意味が生まれてきてとても興味深かったです。
話はそれますが、その日の参加人数が奇数の時は人数合わせで立ち稽古に参加しています。
小原さんの書く会話を実際に口にしてみて、実際に演じているときは何も考えていないわけですが、後から何を気を付けて演じているのかしらと振り返りました。
集中を分散している、いわゆるマルチタスクということをしているのだなと。
マルチタスク:複数の処理を同時にすること。
脚本を持ちながらなので、視線が脚本に縛られて台詞を読むことに集中しやすくなります。
会話をするときは、あんまり何かに集中しているということがありません。
逆に言うと、何か(往々にしてそれは’感情’と呼ばれがちなものですが)に集中して言葉を発しているときは劇的な効果を生むことがあります。
この効果を引き立てるためにも、それ以外の時はできるだけ集中しない、分散した状態にありたいなと思います。
さておき振り返って具体的に何に分散していたかなと考えます。
もちろん脚本に視線を向けつつ、相手役や場所に対しても視線を飛ばす。
また脚本を持っているとセリフを言うことに集中しがちなので、話す事よりも動くことができないかということに分散していきます。
あとはセリフに集中しないということで、自分が話す事より相手の話を聞くことに分散する。
後からのこじつけなので、実際はただ’何も考えていない’という事だけですが。
案外に何も考えないという事が一番難しかったりします。
そしてこの文章を書きながらさらに振り返るなら、芥川ミルキーウェイでも人数合わせで立ち稽古に参加しました。
その時に大きな声を出す演技をしたわけですが、これはもう稽古に入る前から絶対にやろうと決めていたし、その時には大きな声を出す事だけに集中しましたし、前述の通り劇的な効果を期待していました。
演技に緩急をつけるということがありますが、言い換えるなら集中と分散を使い分けるという言い方もできるのではないかと思いました。