日時:2025/05/20(火)13:30〜16:30
会場:富田ふれあい文化センター 小ホール
担当:岡田
先週の稽古ではスタッフさんが稽古場に来ていたので、通し稽古を行いました。
その振り返りの意味も込めて、今日の稽古では演技の細かい部分を詰めていきました。
演技といっても、個々のセリフの読み方というよりは、むしろその前後の部分にフォーカスを当てててみます。
お客さんの目線というのは、基本的にはセリフを発している人物に注目しますし、創作側としても台本の内容を読み取ってほしいので注目してほしいと思っています。
が、セリフを発していない人が「変な」動きをしているとそこに注目が映ってしまいます。
なので、できるだけ注目がいかないように動く演技が必要になります。
どのような動きだと注目がいかないようになるのか。俳優が自分にとって自然だと思って動いても、それが観客にとっては(良い意味にしろ悪い意味にしろ)目についてしまい、結果的に目線が移ってしまうことになります。
なので、重要なのは観客の視線になって考えることです。
でも舞台上にいる俳優が観客の視線を想像するのは難しい技術でもあります。
そんな自分の代わりになって補助線を入れてくれるのが演出家の役割ですね。演出家は観客代表です。
筒井さんが具体的な指示も出しつつ、演技の意図についても説明してくれていることで、俳優は自分を客観視することができるようになってきます。
さて、セリフ前後の動きが滑らかになってくると、観客はセリフの内容や発話者の動きにもっと集中できるようになります。
さきほどの話と逆で、セリフの読み方をどうしたらいいかを考える上で、そのセリフの前後を考えることが重要です。
前後について考えるポイントとしては、内容はもちろん、言い方・口調なども大切です。
例えば、前の人が真面目な口調で話していたとしたら、同じく真面目に話してみる。あるいは、前の人が真面目な口調だから、あえて不真面目に話してみる。そうすることでギャップ(落差)が生まれます。そしてギャップは笑いを起こします。
作品内にギャップをたくさん作ればいいわけではありません。むしろギャップが連続しすぎると、それぞれのギャップが小さくなってしまい、笑いが起きにくくなってしまう。
そのバランスを整いながら方向性を決めていくのが演出家です。
俳優の目線と観客(演出)の目線は違うので、演出からの指示やその意図を俳優が理解しにくい場合は多々あるものですが、より良い関係を築きながら今年もそよ風ペダル作品ができあがっているように感じます‼︎