2023年4月26日水曜日

【千年団】目線と想像力

 4/25 13:00-17:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 

演劇の手法の一つに、「見立て」というものがあります。
落語で、扇子を箸やキセルに見立てるのは有名ですね。
ただ、実際に何らかの「物」を使う場合と、何も使わず身一つで「見立て」を可能にする場合とあります。例えばパントマイムであたかも壁があるかのように振る舞う、とか(これを見立てと呼ぶのは一般的ではないでしょうが)。
見立てという手法が良いのは、それが必然的に観客の想像力を喚起することです。
観客はただ受動的に観るだけではなく、何らかの積極性を求められることになる。
ここに演劇の醍醐味の一つがあるような気がしています。














今回のスポーツ×チェーホフでは、たくさんの「見立て」が試みられており、例えば「実際には存在しないボールの行方を、複数人で同時に眼で追う」といったことが表現されます。
このとき、俳優たちの目線がバチっと一致したときの感動はすごい。確かにボールが見える。実際の球技の情景が見える、瞬間が訪れる。

セリフや段取りを覚えたり、その発話の仕方に気を使ったりするよりも、ある意味では地味な作業です。しかしこのイメージ操作の練習は演劇の根幹をなすため、今後はこの辺りにも、多くの時間が割かれることになりそうです。楽しい。




2023年4月19日水曜日

【そよ風ペダル】新劇場・新公開

 4/18 13:30-16:30+α 富田ふれあい文化センター多目的室→高槻城公園芸術文化劇場 大スタジオ













一通り戯曲が出揃ってからの進捗は著しく、今回もまたおおいにステップアップした感のあるそよ風ペダル。各シーンごとに、
1.感情を入れたりせず、台本を読みながらテンポ感アップでざーっと通し
2.台本を完全に離して、本番通り?にじっくり通し
ということを前から順番に全シーンやりました。
主にセリフや段取りの確認のための1.の行程でしたが、しかし普段やらないスピードでの演技は俳優を活気づけた様にも見えました。
ノリノリで、勢いに任せて走り切った方が意外と面白くなるシーンもあるのだ、みたいなことも感じられるなど、副次的な効果も大いにあった…かもしれない。


稽古後に、本番を行う高槻城公園芸術文化劇場・大スタジオを見学に行きました。
実際にいくと、やはり広い。今まで段取りで確認していた、「下手から上手に向かって歩いていき…」みたいなことが、思いのほか時間がかかるとわかったりして、少しずつ演技の感覚に修正が必要そうです。
また、あえて音があまり響かない設計になっているそうで、人の声がクリアに、直線的に聞こえます。ただ、少し声を大きめに出す必要はあるのかもしれない。

高まる緊張感!ですが、若干荒波くらいの方が楽しい。転覆しないようにだけ舵取りはしっかりと用心しつつ。



2023年4月12日水曜日

【そよ風ペダル】音響効果、絶大

 4/11 13:30-16:30 富田ふれあい文化センター 小ホール

本日は音響さんが稽古場に来て、BGMや効果音を逐一入れてくれました。
そよ風ペダルの上演は毎回そうなのですが、他の劇団以上に、音響効果が入ると一気に作品としてのまとまりが出てきます。
単に状況や心情を描写するための音ではなくて、芝居の構造をはっきりさせて、観客の焦点(シーンのどういう点に着目すれば良いのか)といったことを示すための音、というか。

そよ風ペダルを見ていると、現代の「喜劇」は音楽をどれだけ効果的に使えるかが勝負どころなんじゃないか、という気さえしてくる。

しかしとはいえ!俳優の演技の説得力に勝るものはありません。みんな少しずつセリフも覚え始め、無駄な力の入っていない余裕のある演技で大変面白くなってきました。

大作、快作、怪作?の予感。
段取りの確認など、まだまだやらなきゃいけないことも多く大変ですが、あと二ヶ月どうにか走り切りたい!





2023年4月5日水曜日

【そよ風ペダル&千年団】高槻de演劇初夏のプログラム

4/5 13:00−17:00 富田ふれあい文化センター

新年度ということもあり、ドタバタと二つの劇団を行ったりきたりしていました。
ので、今回は宣伝ブログ。

この3月に新しくオープンした高槻城公演芸術文化劇場(大スタジオ)で行われる、「高槻de演劇 初夏のプログラム」。
https://www.takatsuki-bsj.jp/tat/event/20230222-401
2週間にわたって、4団体が公演を行います。うち2団体がシニア劇団。

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そよ風ペダル「喜劇 新航海時代」
6/3 11:00開演/15:00開演



千年団「みんなでチェーホフ」
6/10 11:00開演  6/11 17:00開演

 

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いずれも一般1,800円、50歳以上25歳以下1,000円。

このブログを追ってもらってもわかると思いますが、演劇観も、演技の仕方も、稽古の進め方も、全く(本当に全く)毛色の異なる2劇団。
日々それぞれに洗練されていっています。劇的に。どちらも!是非にと!