2022年10月26日水曜日

【千年団】創意工夫は制約の中で

 10/25 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 小ホール 担当:渡辺

前回に引き続き、チェーホフ×スポーツで練習を進めていきます。
いくつかの短編に、俳優が割り当てられ、各々で話合いながら試行錯誤が行われました。
本番まではまだ時間がありますので、色々試す段階。


とくにチーフが指示することなく、俳優同士でどんなスポーツにするか、どうやってシーンをつくっていくか、どんどんクリエイションが進んでいきます。

前回は、ラケットやバットでボールを打つ、その動作とセリフのマッチが面白く感じられましたが、今回はそれだけじゃなかった。
例えば「ゴルフ」という設定の場合。グリーンの芝目を読むために大きく屈む、といった動作をしながらセリフを言うことで、不思議と演技にリアリティが出てくる。
「バレーボール」の設定では、球出しの人とレシーバーの人とで、関係の非対称性がよく表される。

シーンが面白くなるように、みんなで好き勝手創作して!というような指示だったら、こんなに豊かな表現は生まれなかったことでしょう。
「スポーツ」という(強くはあるけど幅の広い)制約があったことで、俳優たちからどんどんアイデアを生み出され、ブラッシュアップされていったのだと思います。

スポーツといっても、実際に競技の中で動き回る選手だけではなく、審判や観客がいたり、
準備段階やブレイクタイムがあったり、まだまだ様々に広げようがありそうです。
これは毎回楽しい稽古になりそう!どのアイデアも面白いので、本番でどれを採用するのか困ってしまいそうです…








2022年10月19日水曜日

【千年団】トーンを決める身体

 10/19 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 担当:渡辺







今年度稽古が始まって以降、チェーホフの短編をたくさんやってきました。
6月の本番に向けて、これらを組み合わせて構成していきます。

一つの特色は、もともとの戯曲には書かれていないシチュエーションを設定して演技をすることです。
登場人物たちがテニス場やゴルフ場やバッティングセンターなどにいるという設定で、チェーホフのセリフを読んだらどうなるか?








一般に、演技の練習をするとき「余計な力を抜いて」などといった指示がとぶことがあります。
セリフを言うぞ言うぞ、と肩に力が入っていると、ぎこちない喋り方になってしまったりするからです。
ところが今回は、「テニスのラケットや、野球のバットでボールを打つ」という動きをしながらセリフを喋る。ある意味では「余計な力」をどんどん入れていくわけです。
ただ、これがなぜだか「自然」に聞こえてくる。シチュエーションとしては不自然でも、セリフの言い方が自然な感じがするのです。
例えば怒りの感情と、ボールのインパクトの瞬間の身体の動きとがマッチして、ただ「怒る演技をする」よりも、「怒り」がより良く表現されたりする。

これまでの千年団とは、少しテイストの違う演劇になりそうです。まだ半年以上先ですが、既に面白い!



2022年10月12日水曜日

【そよ風ペダル】身体がモノを言う

 10/11 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 大ホール 担当:渡辺

一週お休みをいただいている間に、急に寒くなりました。
日中は少し暖かかったですが、朝晩はやはり冷え込みますね。みなさま体調崩されない様お気をつけください。

今回はダンサー役としていつもより自由に?身体を動かすシーン。
「ダンサー的な身体の使いかた」というイメージと、俳優たちの個性とがかけ合わさって、面白い表現がたくさん見れた気がします。

「目は口ほどにものを言う」などと言ったりしますが、最近みんなマスクにすっかり慣れてしまい、口元を見せないのが普通になりました。
それだけに、これまでよりも一層「目」や顔の口以外の表情を巧みに動かしてコミュニケーションをとる人が増えたような気がします。
あるいは、相手が笑顔になっていることを、意外と口以外の要素(例えばほっぺた辺りなど)から判断していたりするんだな、ということが分かってきました。
顔だけでもこれだけ伝わるのだから、身体を動かせばなおさら伝えられる。言葉がなくとも。
「本当は不満だけど、仕方ないからやってやるか」みたいな複雑な感情も、身体があれば伝わる。
ほとんどの役にセリフのないシーンでしたが、それだけに身体の表現の面白さが際立った感じがしました。




2022年10月5日水曜日

不安な気持ちが所作に現れる

 104日 そよかぜペダル 担当土井

外は夏の気温ですが稽古場は集中管理の冷房が効き過ぎています。しっかりストレッチを30分、リーダーより伸ばす目的の身体の部位を教えて頂くと、その部分に意識が集中します。普段意識しない筋肉を伸ばすのは気持ちいいものです。


台本は25ページ改訂版から28ページまでが完成。

23ぺーじから28ページを何度も稽古します。この場面のキャストは8名、本日は全員参加の12名、どんどん役を変え稽古を繰り返します。時々、「その役はさっきやりました。」と言う事にも。


この場面は3人ずつ、順に3組登場します。船長はダブりますが。ところてんのように、会話をしているチームがスルスルと変わっていく感じにしたい。

料理長の不安を船長が優しく守ります。

料理長の不安な所作が今日の稽古の一つのポイント、この所作を続けながら会話をします。手だけではなく身体全体もソフトクリームを作る速度で動くのがなんとも愉快です。


メンバーが「モチベーション」を平板で言って、とても新鮮で面白かったのです。(ベー、の部分ですね)本来の英語のイントネーションではなく平板で言う外来語はいくつかありますが、平板で発音すると言葉のニュアンスが変化し、可笑しみが生まれます。ダンサーとダンサー、クラブとクラブ、・・・等々頭の中でいろいろ上げてみます。そのニュアンスの違いは何なのでしょうか?


話がスムーズに繋がるよう、立ち位置の交通整理をしました。

上手から船長、はるあき、ひろこの順番が守られれば、次に出てくる料理長と船長との会話がスムーズにいきます。

司会者達は上手から3人の後ろを通って下手側に周り、ひろこと対話します。でも臨機応変に対応すれば立ち位置が違っても上手くいくものです。今回は航海士が一歩下がっていたので自然に見えました。

基本は、誰と誰が会話するのかがわかっていればいいのです。

通常は客に身体を開くのと反対に、時に人を遮断する事もありますが、それで誰が喋っているのかを客に示す、その配慮が出来るように稽古をします。

ラストは19ページから28ページをフルメンバーで。最初からの稽古を見てみたいと思いました。