2023年7月26日水曜日

【そよ風ペダル】岸田國士「留守」③ 忘れても続ける

 2023年7月25日(火)

高槻城公園芸術文化劇場中スタジオ2


稽古場に集まると「暑い」しか言葉が出てきません。

ちゃんと涼んで、水分補給をしたか確認した後、ストレッチからスタートです。


本日も岸田國士「留守」に取り組みます。

先週と同じく、二人組になって一部のやり取りの流れを覚えて、台本を離した状態でやってみます。

正しいセリフを言うことではなく、台本を離したときの視線や所作、

そしてもしセリフを忘れたとき、いい間違えた時にどう乗り越えるか?という練習です。


短時間で覚えてやるのは、いくら間違ってもいいと言われていてもやはり緊張するものです。

一回目は台本を持ったままやってみましたが、皆さんほとんど覚えていらっしゃいました。


来週はそれぞれのくせに向き合う時間になるそうです。

くせを直さなければならないわけではなく、こういうくせがあるんだな、と理解することから始めていきます。

今日の練習では、皆さんセリフや流れを忘れたりしましたが、

「えーとなんやったっけ?」という言葉を言わず、また表情を見せずに終えることができました。

忘れたことを表面上に見せないことはこれからも大切にしていきましょう。


2023年7月18日火曜日

【そよ風ペダル】岸田國士『留守』を読む②

 7/11()14:0016:00 高槻城公園芸術文化劇場 スタジオ3


梅雨明けも間近となり、本格的な暑い夏が到来しようとしています。


この日の稽古場は「高槻市立富田ふれあい文化センター」の小ホールです。

富田駅から稽古場に歩いてくるだけで汗が吹き出します。






稽古の最初は毎回、ストレッチ的に筋肉トレーニングを行います。


身体の水分は筋肉に蓄えられるそうです。

筋肉をしっかり付けておくことで、身体の中に水分が蓄えられるようになり、熱中症予防にも繋がります。


ルーティーンで毎回行うストレッチを、今日は改めて、身体の動かし方や負荷をかける筋肉がどこかを確認しながら、入念に行いました。


アップとして、発声練習も行います。

身体と同じように、声についても継続的に練習を重ねることが重要です。





本番に向けての基礎トレーニングの意味合いで、前回に引き続き、岸田國士の『留守』、特にその冒頭部分を使って稽古を進めます。


テーマは「人からどう見えるか」。


女中2人のシーンなので男女混淆の2人ペアを5つ作ります。

それぞれに読み合わせをした後、各ペアが順番に読むのを聞き比べます。






より台本の雰囲気を立ち上げていくために、セリフを覚える時間を15分ほどとって、ペアごとに稽古をします。


ここでのポイントは、セリフを覚えることではありません。

セリフを「読む」段階を早めに抜けることで、どうやって身体を動かすか、どのような感情なのかといった部分に目を向けていくことが可能になります。


台本を持ったままではできないことがたくさんあります。

身体を動かしてみると浮かんでくる世界があります。


講師の筒井さんも、セリフを正確に覚えることは求めておらず、段取り程度のものを覚えてシーンを立ち上げてみようと指示がありました。






そして発表してみます。


演技の難しい点は、お客さんのほうに意識を向けながらも、舞台上の登場人物との関係も大事にしないといけないことです。


たとえば、舞台奥から別の登場人物が出てきた場合、観客は舞台前にもいるので、舞台の奥にも前にも意識を向ける必要がある。

では、そのときに身体はどこに向けたら良いのか。


また、ペア同士で了解を取り合ってから発表を始めることも大切です。


セリフや段取りを間違えてしまったときに、間違ってしまったことを見せないのも俳優の技術の一つです。


こうしたことを踏まえて、再度同じペアで発表し、さらにペアを変更してもう一度発表しました。








2023年7月11日火曜日

【そよ風ペダル】岸田國士『留守』を読む

 7/11(火)14:00〜16:00 高槻城公園芸術文化劇場 スタジオ3


6月の本番を終え、次に向けての稽古が始まっています。


稽古場は高槻城公園芸術文化劇場のスタジオです。

たくさんの木材が壁に使用されていて、天井も高く、日の光も降り注ぐなかで、稽古を行いました。



いつも通りストレッチを終えた後、『留守』という一幕劇の台本を読んでみます。

『留守』は1927年(昭和2年)に岸田國士によって書かれた戯曲です。数十分の短い物語で、登場人物は3人。舞台となる中流階級のお屋敷で女中をしている「お八重さん」。お隣のお屋敷の女中「おしまさん」。両家に御用聞きに来る「八百屋さん」。

今日はたまたま参加者が女性6人と男性3人だったので、女性2人と男性1人の3人グループに分かれ、まずはひと通り読んでみました。




「人からどう見えるか」をテーマに、しばらくはこの台本を取り組んでいきます。

話し方や動き方を、登場人物同士の関係で考えていくのに加えて、「それが観客からどう見えているか」という外の意識を持って演じてみます。

シンプルな会話劇なので、演技の練習教材としてピッタリかもしれません。





今日の一言
「対話者に目を向けなくてもいいときは、お客さんを意識できるチャンス」