2022年5月18日水曜日

【千年団】熊、日常の中に

5/17 15:00-17:00 高槻現代劇場306

前回に引き続き、今回も『熊』です。
ロシアの大作家が書いたものを、ゆったりまったり視野を広く持ちながら、しかし確かにその国から生まれたものだという意識も持ちつつ、同時に作品には真剣に取り組むこと。
四方八方に飛び交う感情を、同居させることができるのが演劇の良いところです。
どういう背景で描かれたものなのか、現地の人たちはそれをどう読んだのか、時代と場所を隔てた今の私たちがこれをどう読むか。演技の実験をしていく中で、「人間」に共通する部分や、人びとの間の差異なんかが見えてくる…瞬間がある気がします。

いわゆる「詩的」な表現とか、文語的な語尾、普段あまり耳にすることのない単語、そして単純に人名の慣れなさなど、様々な要因のために日常から遠いセリフを、それでもなお日常に近づけて発話するか。極めて、極めて厄介な試行錯誤が必要です。
それでも何か良いと思える演技が、確かに時折ある。演劇は、演技は、まだまだ面白い。