2024年1月23日火曜日

【そよ風ペダル】It's your turn!

2024/1/23 14:00-1600 高槻城公園芸術文化劇場 中ホール2 担当:渡辺 

若い世代ほど「決断」が苦手だという傾向があるかもしれません。
よく言えば他人の意見を尊重する、という意識が強いということですが、みんなが「尊重」してばかりで何も決まらない、という状況も散見されます。
(一周まわって、「相手の意見を尊重しようとしている」という相手の態度を「尊重」してこちらが決める、みたいなこともあるのですが…)

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今日のシーンでは「困った」、「迷ってる」、「教えてください」と言うばかりで、何を教えて欲しいのかイマイチ分からない人が登場しました。
「教える役まわり」の人も登場しますが、当然相手が何を教えて欲しいのかが分からないので困ってしまいます。「そちらのターン(喋る番)です」と促すも、何も返答がないので困惑は終わりません。

互いに、分からない、教えてください、思い出してください、そちらのターンです、いやそちらのターンです、とずーっと繰り返されるので、俳優もだんだん困ってきてしまいます。
話が進んでいかないのでそれを見ている観客もおそらく困惑するでしょう。
しかし何故だか面白い、という不思議な現象があらわれてきます。
俳優の困惑と、登場人物の困惑とが重なっている(ように見える)ときに、面白さが増している感じがしましたが、実際のところは…どうなんでしょう。

こういったシーンを「不条理(absurd)」と呼ぶことは簡単ですが、単に馬鹿馬鹿しい(absurd)わけでもないような説得力がありました。しかしこの馬鹿馬鹿しさから抜け出したい!という気持ちも同時に生じました。