2013年3月16日土曜日

心の所在。

3月12日 山口クラス

今日は脚本候補をみんなで読み合わせということでしたが
その前に役者が脚本とどう付き合うかを知るためのワークを。
以前やった動きの即興。
「何しているの」と問いかけられて動きを変える。
とりあえず体を動かしてみてから、何の動きなのかをさぐってみる。
朝起きてから家を出るまでをペアで再現する。一人が起きてから何をしたかを口で説明しもう一人が動く。
次に説明した人が実際に動き、もう一人が動きをまねる。そして、説明した人が実際に動くのに対して、全く別の説明をしてみる。



心や感情の所在ということを少し考えました。
例えば怒っている演技をするとして、怒っているということを頭で理解したところで仕方ないかもしれない。
案外に怒っているということに囚われると、どうしたらいいかがわからなくなります。
心や感情はエネルギーのことを指すのではないでしょうか。
つまり車がエンジンが回って動くときのそのエネルギーのように
カタチとして目には見えないけれど確かにそこにあるもの。
そして車やエンジンにあたるのが、この身体です。
呼吸や声や体を使うことによって、動きというエネルギーが生まれ、そこに心や感情のようなものが宿ってくる。
感情を内側から作るのか外側から作るのかは人それぞれです。
心はいくら自分で頑張ってもなかなか変わってくれませんが、
環境が変わったり何気ない誰かの一言で変わったり、それこそ塞ぎ込でいても体を動かせば変わったりします。
とりあえず体を動かしてみて、そのエネルギーが何なのか、自分の中にある何と結びつくのかをさぐり感じてみる。

口で説明されての動きは役者が脚本をもらって頭で理解してのジェスチャーのような動きになります。
実際の日常の動きを再現すると、説得力が増していきます。
そこにはある種のエネルギーが生まれているのだと感じます。
頭の理解をエネルギーのある動きに変えていく。
その変化の間にはいったいどんなことがあるのか。
これからのワークで見定めていきたいと思います。