2013年12月18日水曜日

声と人形。

12月17日 そよ風ペダル

年内の稽古をもう一週残して、
ついにワーニャ伯父さんの最後のシーンまで稽古が進みました。

いろいろな試行錯誤をしてきましたが、演じ手とプロンプターと言うところから始まり、
最終的に声の演じ手と人形という風に稽古場での言語が変化していきました。
通常なら舞台に立つ演じ手を主軸にしてシーンは進んでいきますが、
裏に控えているはずのセリフや声が主軸になって、それに操られて人形が動いていく。
逆転した創作が行われていたように感じました。



演じ手が人形になることによって、観ている側とキャラクターの言葉の間に距離ができて、
そのキャラクターの内面からの声のように聞こえてきました。
また、外側から言葉が入ってくるためより意識的に動くことができます。
演技創作の序盤においては、脚本にある文字の言葉を入力して声のセリフとして出力することになります。
しかしそれをわけることによって、文字の入力が動きの出力にまで達しています。
これを一人の演じ手で行うということが演技をするということなのかもしれません。

声に操られるというところにちょっとした難しさがあるようです。
しかしこの難しさを体験しているかどうかということが、
これからの稽古に反映されていきそうな気がします。
例えばワーニャ伯父さんのシーン稽古を終了させた後に
作品の感想を語る声の前に人形として立ち動いてみるということをしました。
脚本を読んでいるときの声に操られるよりも動きやすそうに見えました。
もしかすると動きやすい声、動きにくい声というのがあるのかもしれません。
つまりは動きやすい声の方が見ている人に伝わりやすいのかもしれず。
ではそれがどんな声であるのかというのも、一つの課題になるかもしれません。

ワーニャ伯父さんが終わり、次週から公演に向けての創作が開始されるのでしょうか。
この稽古がどこに展開されていくのか。
次回の稽古が楽しみです。