2014年12月13日土曜日

茫然自失からの再発見。

12月2日 そよ風ペダル

前回で作品の全てが出そろったと書きましたが、すいません、そうではありませんでした。

失踪した深沢の記録が見つかるシーンがありました。

そうでした、過去が今に迫ってくる作品なのでした。

常に今を生きているわけですが、いつ何時この目の前にある今が変化し失われるかわかりません。

ただでさえ昨今は変化が目まぐるしく、そのスピードが上がってきています。

日々の中に刺激的で興味をひくものがあふれています。

自分を取り巻くものに目移りしてしまい、今自分が本当に何をしたいのかを忘れてしまっているような感覚を覚えて当惑してしまします。

つまりは茫然自失。

失踪した男の過去の記録を見ることは、失った自分の記録を振り返る事でもあるのではないでしょうか。

誰かの思い出の話を聞いたり読んだりした時、同時に自分の思い出も回想されて忘れていた自分自身を再発見することはないでしょうか。

モロモロウロウロ、それは喪失と悼みの作品だと思っていました。

しかし同時に再発見からの肯定や祝福の話なのかもしれません。

こんな事をユーモアに変えてなんなら爽快に描けるのがそよ風ペダルという劇団の強みです。

脚本完成は年明けで、そこから本格稽古の開始です。