9/5(火)14:00〜16:00
富田ふれあい文化センター小ホール
今週、来週、再来週は富田で稽古です。
講師の筒井さんが高槻城の劇場と稽古場を間違え、少し到着が遅れてしまっている間、毎稽古の最初に行うストレッチを受講する方々同士で進めていました!
普段のストレッチ中に筒井さんが仕切るように、受講生がストレッチの順番や注意点を「真似している」のを楽しく拝見していました。
日常に潜む演劇的な瞬間ですね。
さて、今日も岸田國士の『留守』を使っていきます。
演技の仕方を具体的に学ぶための稽古というより、「稽古の仕方」や「稽古をするための準備」を学ぶことに重点を置いています。
自分で演技プランをガチガチに考えてきても、相手がいるので考えていた通りにできるとは限りません。
そうしたことも大事ですが、今目の前にいる相手と楽しむことが1番大切です。
そのスタンスが演技のベースになると、どんな相手でもどんな脚本でも、お芝居に仕上がっていくのです。
その場で起きていることに反応し、相手と楽しんでいきましょう。
組むペアを毎回の稽古で変えています。
脚本上では女中二人の会話が中心なので、なんとなく避けてきましたが、今日はついに初の男性同士のペアが誕生しました!
今日やってみるのは、p.14おしまさんの長いセリフの途中「近所で〜」から、p.16お八重さん「あたしが、あとで片づけるからいいわ。」まで。お八重さんがおしまさんの髪を結いながらお話ししているシーンです。
一組できたトリオは、八百屋さんが家にやってくるp.22おしまさん「巻煙草は、」から、p.25(長い沈黙)までをやってみます。いつもより覚える範囲が多いですかね。
しばらくペアないしトリオで練習し、まず一度台本を持ってもいいので発表してみます。
その後、台本を持たずに発表できるように練習して、もう一度発表です。
ちなみに、どうしてもセリフが出てこない場合に備えて、セリフを教えてあげる「プロンプター」役を導入してみました。
本番では観客にとって話がスムーズに進んでいくことが重要です。物語の世界観からズレないように、セリフを教えたり教えてもらったりする練習も兼ねています。
セリフ以外にも舞台上では様々なハプニングがしばしば起こります。そうしたときに、観客には気づかれずにさりげなく関係者にSOSを出して対処できるのも、舞台に立つ俳優が準備しておく技術ですね。
やってみると分かってくるのですが、実はプロンプを入れるプロンプターにも難しさがあります。
プロンプター制度を入れると、舞台上の俳優二人だけでなはく、プロンプターを含めた3人の関係でお芝居が進むのです。
「舞台上の二人の間(ま)は何の間(ま)なのか」
「演技なのか?」
「セリフが出てこないのか?」
「プロンプを待っているのか?」
などなど。
「次のセリフを教えてあげるだけ」のために、プロンプターも考えることがたくさんあるのです。
そうした「駆け引き」を楽しみながら、最後にもう一度ずつやってみます。
同じ脚本を続けていることもあり、みなさん役柄が身体に馴染んできて、よりリラックスした自然体で演技できるようになってきました。
微細な工夫も数を重ねる度に見えてきています。
プロンプターがいることで、セリフを覚えるプレッシャーから解放されて、言い方や動き方にも意識を向けて、伸び伸びできているのかもしれませんね。