2023年12月1日金曜日

【そよ風ペダル】演劇のダンディズム:余裕を演じるダンディを演じる

 11/28 14:00-16:00 高槻城公演芸術文化劇場 中スタジオ2 担当:渡辺

前回から「ダンディズム」が一つのテーマになっているようですが、そのテーマに即して戯曲を読みました。


「ダンディ」。考えれば考えるほど面白いです。


心の底から余裕に満ち溢れた「ジェントルマン」ではなく、実際は心身に(?)余裕もないけど、「あえて」余裕のある態度をとろうとし、そういう自分に陶酔する…それが「ダンディ」だということのようです。

武士は食わねど高楊枝、みたいなことでしょうか。

ジムに行って筋トレして、そういう自分に惚れ込む…のは違うか。機微が難しい。


いずれにしても、「ジェントル」であればそれは当人の本性というか性格というか、そういうものでしょうが、「ダンディ」はまさに「演技」の領域に位置しています。例えば自分の弱さだったりを隠して、気丈に「振る舞」ったりする、という意味で。


なので、「ジェントル」を演じるよりも、「ダンディ」を演じるというのは複雑に見えます。演じていることを演じなければならないのですから。

(筒井リーダーはいつもこういう厄介な演技を要求してきます!)


…いや。ややこしいことを言うようですが(そして今思いついたので自分でもよく分かっていませんが)、もしかしたら逆かもしれない。

「ジェントル」をほんとうに演じようとしたら、気持ちの奥底から役作りをしなければなりませんが、「ダンディ」を演じるためには、素の自分を残したままでも、ダンディズムに浸って遊んでいれば、それがそのまま役作りになる…?


今日は、二人でのやや不条理な問答のシーンでしたが、そこでも「真剣に演じようとするのではなく、目の前の問題に真剣に疑問を抱いて、真剣に応えてほしい」というオーダーがなされました。

ダンディを演じること、と通ずる話なのかもしれません。


ちょっとまだわかりませんが、「ダンディズム」というのがそれ自体で非常に面白い仕掛けであるような気がしました。