2013年2月2日土曜日

セリフの裏に隠れているもの。

1月29日

山口クラスで恒例化してきておりますラジオ体操を第一、第二までを円形になってやりました。体があたたまったところで今日は発声練習。口角を横に伸ばして唇をプルルルルルルと震わせる。なんだか金管楽器を吹く感じに似ています。この状態で以前やった天使が頭のてっぺんから床に落ちてまた頭の上に戻ってきて天に飛び立っていく発声をしてみました。自然と動く腹筋を感じます。唇を震わせた状態で怒って文句をいってみたり。みなさん唇を震わせるところからなかなか難しいようで。毎朝やってみて来週どれくらい出来るようになるか試してみようとなりました。





そして恒例の席とりのゲーム。本日は最近出会った「いい人」を形容してみる。例えば「控えめだけれどテキパキしている人」。その人がどんな人かの解説もそれぞれに語られます。次にその人をイメージして今朝電車の中で偶然会ったと仮定して、その人はあなたに何と言葉をかけるか。例えば「こないだのお花きれかったよ」。役柄をイメージしセリフを捉えていく体験に繋がっているように感じました。趣を変えて最近自分がやって失敗したこと、後悔したことをそれぞれ発表し、椅子の前に来られた人はその言葉を言うのではなく、自分ならその人にどう声をかけるか考えて発話する。途中で説教として意見を言ったり、褒めたら三万円くれる人だと思ってダメだなと心の中で思いながらも裏腹に褒める。脚本を解釈する時にセリフの通りに読み取っても面白みは生まれません。例えば心の中では別のことを考えていても、そのことは隠して裏腹に発話されている状態を創る。隠した演技をする能力や隠されたものを読み解く能力というのは非常に重要になっていきます。見ている人は隠されていることを敏感に見抜きます。そしてその見抜くという行動は発見の喜びを与えてくれます。演じ手は見ている人に対して何かしらのサービスや商品を提供する必要があるとして、例えばこの発見の喜びというのがそれにあたります。なんたって見ている人はお客様なのですから。

残り時間で脚本稽古です。一チームが前に出て立ち稽古をし、それに対して山口さんがこうしてはどうかという提案をしてシーンに工夫を入れていきます。今日は役柄が意識を飛ばしているものが何かを明確にすること。そしてその意識の飛び方が次々に移り変わっていけるようにすること。また役柄同士の関係性を視覚化するための距離の取り方について体験しました。また次回はこれを踏まえながら別のチームで脚本稽古が進んでいきます。