2020年7月15日水曜日

身体の動かし方から見えてくるもの

7月14日 千年団 担当:広瀬

冒頭、メンバーが集まるまで、コロナ禍の中での各所の上演の形についての雑談をしました。
千年団でも今回の公演は、少人数チームに分けたオムニバス公演にして、作品転換の合間合間で換気をする予定です。

テキストの稽古に入る前に簡単なシアターゲームをしました。
二人一組で一人が歩き、もう一人に呼びかけれたら元の場所へ戻るというもの。
歩いている流れでUターンする人、一度立ち止まる→振り向く→また歩き出すという流れの人など、それぞれに違った動きをしていて、振り向き方から情景が見えてくる人もいます。
2巡目は1巡目で1度も出なかった「体から振り向いて、あとから顔が付いていく振り向き方」をしてみますが、なかなかスムーズにならない人が多く何度か試したりします。スムーズにこの振り向き方をしたときの印象としては「見たくないものに気づいた」といった感触です。
ポイントは、身体の動きからシチュエーションをイメージしていくこと。
3巡目は、呼びかけ役には、歩く役の人が各々イメージしたシチュエーションに合った呼びかけ方をしてもらうという条件を加え、試してみます。シチュエーションが合っていると振り向き方から「葛藤」が見えてきます。
歩く演技一つ取っても、目で歩く、胸で歩く、腹で歩くなど、どこを意識の先頭にもっていくかで見えてくる態度や印象が変わってくるそうです。

テキストの稽古では、
3人のそれぞれの位置や向きが移動して360度どの方向からも違った見え方がする演技や、父親役の振り向き方など、みなさん、ここまでの小原さんの言葉や前半のシアターゲームが活きている演技をされているようでした。
また、各役者さんごと、配役の組み合わせごとに印象が大きく違っていて、小原さんからも「母娘はこれくらい他愛の無い話を延々してる感じが良いですね」、「父親はこのくらい軽快な方が良いですね」など、それぞれの良さがフィードバックされていきます。

フィードバックの合間合間に、小原さんから「今回のオムニバスは全てコロナの影響下のイメージ」、「公演全作品通して「他愛の無い話を延々してる感じ」を目指している。」と、公演全体のイメージも徐々に提示されていきます。

また、「ポンポン山」のテキストは、「断捨離で思い出の品を全て処分し、(処分で得たお金で)全てを食べた娘」というイメージがあるそう。
「ポンポン山」のテキストは完結までもう少し書き足されるようです。