2022年6月8日水曜日

【千年団】熊、たゆたう気持ち

6/7 15:00-17:00 高槻現代劇場306 担当:渡辺

チェーホフ『熊』、5回目です。
何度やっても難しい。あるいは、やればやるほど難しい。良い戯曲の条件かもしれません。
人間なんて完璧に「分かり」ようがないのだから。

最後のほうのシーンを重点的に、細かく考えながらやりました。最も難しく、それゆえに「ドラマチック」な場面。
主要登場人物のポポーヴ、スミルノーフは、自分の気持ちがよく分からなくなる。
スミルノーフの方はまだ相手への気持ちががらっと変わるきっかけを見つけやすいですが、ポポーヴにはそれもない。

登場人物がそもそも自分の気持ちに自信をもてていないなら、自信満々に演技をすることはできません。

何だかわからない、というままに舞台に立たなければならない。

もちろん演劇の場合、客に伝わりやすいようにある程度ディレクションをつける必要があります。

分からないということが分かるように演じる…なんと高度なことか!

「分からない役をやっているんですよ」、という俳優自身の態度が前面に出てくるとあざとくなってしまうし…


3チームにラストシーンをやってもらう予定でしたが、タイムオーバーで叶わず。

もう一週、『熊』続けることになりました。