2022年9月7日水曜日

【千年団】演技と自由

9/6 15:00-17:00 富田ふれあい文化センター 多目的ホール 担当:渡辺


自分の話で大変恐縮ですが『自由が上演される』という本を講談社から出版しました。

稽古場で宣伝させてもらったら「自由」という言葉に反応して、みんながいろんな話をしてくれました。

旅行先で自由を感じた人、病人の介護等で不自由を感じた人、文学作品から宗教と自由の問題に触れた人など様々ですが

いずれにせよ「自由」についてはみんな色々思うところがありそうで、話題が広がります。


俳優というのは非常に厄介な存在で、多くの場合、何を言うかは決められている。その意味では不自由です。

ただ、演劇をやっている人がそういう意味で「不自由だ」と感じることは少ないように思います(演出家が横暴だったりするとその限りではありませんが)。


そういえば山崎正和『演技する精神』で、人間は社会生活を営む上で絶対的に不自由なのであって、演技することではじめて自由になれるのだ、などと言っていた気がします。


前回に引き続きチェーホフ『プロポーズ』をやりました。変なプライドや、個人的なこだわり、そういうものにとらわれて、外から見ると一見不自由な人たちのお話です。ただ、このような登場人物たちを演じることで快楽を覚える。これは一体どういうことなのか(とはいえ、演技が上手くいかないな、と感じられるとやはり「不自由」な気がしてしまう)。


いずれにしても、こういうことで頭を悩ませること自体が楽しく自由だなと思えます。演劇って楽しく自由だなと思えます。