2022年9月28日水曜日

【そよ風ペダル】ディレクション、方向決定

9/27 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 担当:渡辺

だいぶ湿度が高かった!
まだ残暑、なんでしょうか、マスクしてると蒸れますね。

演劇における発話って本当に変なもので、必ずしも喋る相手の方を見ていなくても良い。イメージしやすいのは、「お客さんの方を向いて喋る」という、例のあれです。
ドラマで、探偵が下を向いてうろうろしながら推理をつらつら述べる、みたいなシーンがあったりしますが、ああいうのともまた少し違う。
探偵が「人の目を見ないで喋る」のは、「そういう仕方でコミュニケーションをとる変な人」などといったキャラクターに関わることですが
演劇で俳優が客席を向いて喋るのは、表現の構造やルールに関わることです。
話し手が明後日の方向を向いて喋っているのに、他の登場人物たちはそれにいっさい疑問を抱かない。

本当はとても不思議なことです。
だから、それを「普通に」演技しようとすると、できない。どうしたって会話の相手の方を向いてしまいます。
その「会話の演技」は、極めて特殊な発話をしているのだという意識が必要になります。
演出のことをディレクション:direction=方向決定などと呼んだりしますが、俳優も、自分の意識を芝居がより面白くなる方にdirectionしていかなければなりません。

いま出来上がっているところまで、通してやってみました。
芝居の方向が、だいぶ見えてきました。それにともない、演技もどういう方向で行けば良いのか、おおよその目安がついてきました。微調整はあるにせよ、目指すべき形は見えてきた…気がします。

ただ、旅してまわっている客船が、航路を見失って港につけなくなる…というお話なので、芝居もどんどん方向転換していくかもしれませんが…!