2023年2月1日水曜日

【そよ風ペダル】「今日はどんな玉手箱を開けてくれるか」

2023/1/31 14:00-16:00 富田ふれあい文化センター 研修室 担当:渡辺健一郎 

タイトルは、今日の稽古が始まる前に、参加者の一人がリーダーの演出に期待して発した言葉を引用させてもらいました。ああ、演劇(の稽古)って玉手箱みたいなところあるかもしれない。
玉手箱がなかなか開かないとか、開けてみたけど空っぽだとか、煙が入っていてケホッとむせるとか、そういうこともつきものですが、出たとこ勝負で予想もしなかったことが生じたり生じなかったりするのがやはり楽しく感じられます。

前回、メインの役となる二人の関係性が変えられたのにともなって、最初の10ページがマイナーチェンジされ、脚本が差し替えられました。この冒頭部分を、繰り返し練習。

「演劇は最初の5分が勝負」などと言う人もいます。冒頭で、関係性やパーソナリティや、状況などを、セリフで説明しなければなりません。観客を置いてきぼりにせず、これから何が起こるんだろうと、いかに興味を掻き立てるかが大変重要です。


女性同士の、仲の良い、友達の様だけど仕事上のパートナーでもある二人。書いているリーダーは男性なので、この女性同士の関係を、必ずしも想像しきれないと告白しました。そのためディティールに関しては俳優に補ってほしいと。

戯曲には、書かれた言葉をどう発するか、どういう調子で言うか、ということまでは書かれていません。俳優の腕の見せ所です。戯曲に書かれている以上のことが、これからどれだけ出てくるのか楽しみです。












最後に、ビンゴの練習をしました。ビンゴの練習って何だと思われるかもしれませんが、まさにビンゴのシーンがあるのです。以前に少し練習していた様ですが、私は初めて見るシーン。

今回劇中に「ビンゴを舐めるな!」というセリフが登場するのですが、改めて見てみるとビンゴの司会は確かに難しい。

一度把握してしまえばルールはあまりに簡単であるが故に、知らない人へ説明する際、いろいろ重要な情報を取り落としてしまったりする。「自分たちは当然わかっている」事柄を、そうではない人たちと共有することがいかに難しいか。

そしてまた、スピード感も重要です。自分の番号を探すのが大変遅い人もいるでしょう。それをどれだけ待つのか。みんなが問題なくついていけるゆとりは必要ですが、遅くしすぎると場がダレてしまう。司会の巧みな言葉で間をつなぐのか、あるいは他の方法があるのか。

しかも、だんだんと「リーチ!」や「ビンゴ!」の声がかかり、司会が対応しなければならない事柄が増えてくる。

いろんな観客や、様々な状況への配慮が必要になる……これは演劇の本質をついているのではないでしょうか!!!

6割冗談ですが、4割くらいは本気です。