2012年11月1日木曜日

イエス アンドの生み出すチームワーク。

高槻シニア劇団の新たなクラスの設立に向けて山口クラスの稽古が始まりました。
10月6日、7日に開催したワークショップに参加されたメンバーでのスタートになります。
まだまだ参加者を募集しています。
11月13日から12月25日までの毎週火曜日に、こちらのクラスを気軽に無料で一度体験できるオープンクラスを開講します。
劇団活動に興味のある方は、ぜひこちらのオープン講座にご参加ください。


宣伝はこのへんにして、山口クラスのワークです。
まずは山口さんからオープンクラス開講期間中のワークの進め方についてのお話がありました。
脚本を用意して解釈をしていくとのこと。
話合いをしている中で参加されているみなさんは何かしら音楽に関心が深いことがわかり盛り上がります。
ピアノをひけたりテノール歌手だったりコーラスを習っていたりミュージカルが好きだったり。
山口さんも普段の作品で生演奏を盛り込んだ作品を作られていて。
音楽劇を創作してみたいねという話がでてきました。

未来に思いをはせたところで本日のワーク。
高槻シニアでは定番となりつつある名前タッチゲームで場の集中力を高めた後、バッド イエス アンドのワーク。
二人が向かい合って座っています。
片方が稽古の後にどこか行かないと誘います。
これに対してまずバッドであれば話しかけられた事を全て否定していきます。
全く話が前に進みません。
次にイエスでバッドは一度話をそうですねと受け入れた後否定します。
これまた通じ合っているように見えて話が進みません。
それでは話を進める為にどうするか。
イエスのあとにアンドを持ってくる。
つまり相手の話を受け止めてさらに話題に乗って具体的に話を膨らませる。
例えば食事に誘われて、「いいね、じゃあイタリア料理食べようか」
「いいね、じゃあイタリアに行って食べようか」
「いいね、じゃあイタリアに行って料理の作り方覚えようか」
「じゃあ、いっそイタリアに住んじゃうか」
「いいね、じゃあ・・・」
といった具合で話がどんどん広がっていきます。

このワークを通して普段の生活で気付かぬうちにバッドを使っている事が多い事に驚きます。
そして質問をするというのも会話をしているように見えて、もしかすると自分の考えは隠して相手に何かを押し付けているのかもしれないと。
そしてこのワークは創作に対する基本的な姿勢やチームワークを育む方法、アイデアを生み出す方法を教えているように感じました。
ブレインストーミングというミーティングの方法があって。
脳に嵐を起こしてアイデアを出していく方法ですが。
とにかく思いついた事はどんなに馬鹿らしいことでも言う。
発言に対して否定はしないで全て受け止める。
否定するならその発言から連想された具体的な意見をだす。

創作する時に何かを引いていく事はいつでもできます。
まずはどんなに馬鹿らしかろうが間違っていようがなんでもやってみる。
たとえそれが後からやっぱり馬鹿らしくてやめる事になったとしても
それがあって創作された演技となしの演技では同じ動きをしていても、やっている本人の身体に積み重なったものがあるので表現が違います。
演技をする上でも相手の演技に対して否定ばかりしているような演技(ひとりぼっちの演技)よりは受け止めそれをきっかけに反応してのっかていく演技の方が、やり取りが成立しているように見えますし、見ていて面白い。

何よりも相手を受け止め反応して広がっていくコミュニケーションが実現している人間関係は集団としての結びつきがとても強いものになります。
山口クラスのスタートとして、このワークはぴったりだったのではないでしょうか。